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テンポラリー通信

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2012年 12月 14日

詩学講義「無限のエコー」-星雲・12月(15)

吉増さんの慶応大学での授業が講義録として430頁余の本
となって出版された。
「詩学講義ー無限のエコー」(4200円+消費税)。
一読してあの語りかけるような独特の口調そのまま、芭蕉から
瀧口修造まで近代から現代の詩の位相をその深部に垂鉛を
降ろしていくような名講義録だ。
12月15日出版日付のまだ届いたばかりの本である。
今回の吉増剛造展の為にいち早く出版と同時に送られて
きたのだ。
この本と1994年発売の「石狩シーツ」初出CD盤はともに
会場に並べて販売もしている。
この初出CDも今となっては貴重な初版CDである。
奥さんのマリリアさんが所蔵していたものを、特別に今回提供
して頂いた。このCDは吉増さん自身の「石狩シーツ」朗読が
録音されていて、ジャケットの写真は写真家のアラーキーに
よるものである。
ライナーノートには詩「石狩シーツ」全編の英訳も収録され
後に出た普及版とは明らかに違う貴重なCD盤である。
こちらは4000円で販売。
数に限りある。
本と一緒に購入して頂いた場合は、別途特別にこのCDの発売
時の大判ポスターも提供して併せて10000円で如何でしょうか?
今回は少し吉増剛造展年末コマーシアルになった。
ふっふふ・・。

昨日のキラキラと輝くような白銀の世界は一転して、鼠色のグレ
ーな世界となって暗く白く街は沈んでいる。
光だなあ。
光で雪の白さが違う。
鈴木余位さんの投影されたプロジェクター大画面と3台の固定した
モニター映像の重なるダブル画面の所為だろうか、夢の中、大雪の
街に重なる記憶が触発されて、昨日のような夢を見ていた。
カタカナの横文字の付いたショッピングビル群が立ち並ぶ中通り・
横丁に住んでいた友達の記憶。
そこで思い出されるのは今、何故かその父親の職業の顔だった。
それぞれの住居の佇まいと重なるように友達の父親の顔が浮かぶ。
表情と服装の相違は、そのまま職業の違いでもあったから。
もし機会があれば、私の父親の印象もみんなに聞いてみたい、と
ふっとそんな感情が湧き起こる。
きっとそこには父と一緒に明治生まれの祖父の記憶も潜んでいるに
違いないと今思うのだ。
父と祖父の時代があって、それが私の生まれたかっての札幌の
象徴でもある。
同様に小さな友人たちの記憶にもそれぞれの父親の顔が浮かぶ。
遠い時代は何故か父・祖父の親の顔をしている。


*吉増剛造展「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
 :吉増剛造(詩草稿・映像・吉原洋一(映像)・鈴木余位(映像)
 am11時ーpm7時:月曜定休。正月1,2,3日休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-12-14 14:08 | Comments(0)


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