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テンポラリー通信

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2012年 11月 21日

もうひとつの蝶と畑ー緋月・11月(17)

閃くように新たなタイトルが浮かんだという。
今朝の吉増さんからの電話。
「紙ノ家」草稿展というタイトルはご破算になり、新しい
タイトルを送ったという。
昨日はこのタイトルをめぐって数度のFAXのやりとり
が続いた。
果たして次如何なるタイトルが送られてくるのか。

吉増さんとのFAXのやり取りに吉原さん、余位さんとの
展示構成案のやり取りがメールで加わり一日が過ぎた。
展示発想が蝶のように飛びかう。
それらが展示というお花畑を創れば良いのだ。
吉増さんの今年初め<石狩河口から綴りはじめた>未完
の大作250葉の草稿にふたりが随走し並走するように構成
される今回の展示。
吉原洋一氏の2010年2月ー2011年2月一年間の吉増剛
造撮影写真に鈴木余位氏の昨年暮の吉増展と石狩河口撮
影映像が加わり、3人がひとつの道行きのようにそれぞれの
<綴りはじめ>が並走して構成される。
発端は昨年暮の「石狩河口/坐ル ふたたび」の吉増剛造
展であるが、さらに遡れば1991年大野一雄石狩河口公演に
触発された1994年の吉増剛造「石狩河口/坐ル」展に起因
する長い伏流水のような道程がある。
この時800行の名作詩「石狩シーツ」が生まれたのだが、今回
の未完の大作はすでに五千行の詩行を孕んで進行中である。
その過程で進行中の作品に追走するかのように、若いふたりの
写真と映像が随行するのである。

今回の展示の試みは蝶と花の新しい野原のようである。
作品が場を創り、作品が蜜を放つ。
同時に作品が蝶であり、作品がカルチヴェイトする畑ともなるの
だろう。
今タイトルひとつの決定がさらなる波紋を生み、空間の意思を
決めて場を培ってゆくのだ。
そんな気がする。

*収蔵品展ー11月25日(日)まで。am11時ーpm7時。
*吉増剛造展ー12月11日(火)ー1月13日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-11-21 12:55 | Comments(0)


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