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テンポラリー通信

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2012年 11月 01日

再会の時ー緋月・11月(1)

夕刻ふっと買い物に行き帰ると、人が来ていた。
岡部昌生氏と中川潤氏だった。
来るとは聞いていたが、不意の訪問、何年ぶりだろうか。
ここは勿論初めてである。
ちょうどこの日の朝展示中の彼の作品が額の中でずれて
いたので、早速本人に修復を頼んだ。
けっこう大きなガラス入りの額縁なので、中川さんと3人掛り
である。
こうして会場で3人で作業するのも久し振りだなあ、と岡部氏
が呟くように言った。
よくこんな展示作業を、前のスペースで3人でしたものである。
体を使って作業をした事で、長年の空白は一気に解消する。
それからは、奥の談話室でお酒が入った。
分厚い資料ファイル、そしてフロッタージュ以前の絵画と本人
以外で、これほど岡部昌生の資料・作品を保有する処はない。
岡部氏自身もこんな古い作品がここにあったのか、と感慨を
抱いていた様である。
お酒も無くなり、その後はいつもの居酒屋へと出かけた。

東京在住のM氏から電話が岡部氏にあったという。
内容は詳しくは分からないが、とにかく再会せよ、との指令
だった事は間違いない。
ふたりを良く知るM氏である。
今回の岡部昌生初期作品展、同時に音威子府のビッキ記念館
での岡部展と重なるふたりの心のタイミングを見計らうように遠
い古い友人は再会を設定したのだろう。
そしてこうして逢えば、もうひとりの旧友中川氏と3人で淡々と
何事もなかったかのように時が流れる。

多分違いは違いとして、互いを認め合うもののみが時の流れの
中にあった。
居酒屋ではちょうど日本ハムファイターズ対読売巨人軍の熱戦の
実況が流れていた。
思えば、岡部氏と考えを違えこうして長く遠く離れる起点となったの
は、まさにこの札幌ドームの野外美術アートグローブ展示批判を
私が某誌に書いた事がひとつの切っ掛けである。
その札幌ドームでの熱戦実況がふたりの再会の居酒屋でずっと流
れていたのも不思議な縁だった。
しかしそうした異なる齟齬の小石も、再会の自然な流れの内に些か
の齟齬を来たす事もなかったのだ。

*収蔵品展「岡部昌生初期作品を中心に」-11月11日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-11-01 13:27 | Comments(0)


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