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テンポラリー通信

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2012年 10月 25日

秋空広がるー蒼月・10月(19)

久し振りに澄んだ青空が広がる。
昨日からバーバリーを羽織って自転車。
寒気が増している。
短い秋が進む。
ここの壁の紅葉はやがて深紅に燃えるだろう。

岡部昌生氏からフロッタージュの葉書が届く。
東京のM氏から心動かす便りが届いていたようだ。
近々こちらに顔を出すという。
もし来るなら、ここに移転して初めての事である。
古い遠くの友人がふたりをじっと見ていてくれる。
夫唱婦随ならぬ、夫唱夫唱のふたりと笑いながら
語ってくれたM氏の両方を良く知る友人の目である。
港千尋氏とともに3年前のヴェネツイアビエンナーレの
日本代表に選ばれ、今や押しも押されぬ美術家の岡部
氏だが、こちらは北の場末の片隅で細々と画廊を営み
何時路傍の人となってもおかしくないような立場である。
それはどちらもが志してそうなった事で、違いに意味は無い。
私は札幌の地の底深く自立を考え、彼は札幌以外の世界に
広く目を向ける。
その方向性が時としてすれ違い、ともに行動しなくなったのだ。
今回砂澤ビッキの作品を音威子府の記念館に展示する事で、
ともに一緒に仕事をしたその当時の記憶がきっと今岡部氏の
脳裏に甦って、何かを確認しつつ訪れる気持になったのだろう。
そこを繋いだのが、東京の古い友人であるM氏の目だ。
M氏は私が今回岡部昌生初期作品を展示した心の動きを
鋭く見抜き、それを多分岡部氏に伝えたのだと思う。
両方の心の動きを素早く見抜き、示唆する。
この洞察力は優れた美術の学芸員でもあるM氏の眼である。

ひょっとしたらこのまま死ぬまで会う事も無い友人と再び会う
事を計らってくれたM氏には感謝しなければならない。
人は不思議だなあ。
遠くに居る人が一番身近に心の動きを読んでいる。
そして今回のビッキに触れてのフロッタージュ作品に繋がるよう
に、その当時図録に一文を寄せてくれた吉増剛造さんから年末
の個展予定の便りが再び届いた。
今朝で原稿224葉でやがて250葉を超える作品を11月中に
送るとある。さらにGOZO CINEを2巻上映との事だ。
時間がこうして再びの邂逅を準備している。
秋空が深まるように、心の底にも深く見えない空がある。

*収蔵品展「岡部昌生初期作品を中心に」-10月23日(火)-
 11月4日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-10-25 13:13 | Comments(0)


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