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テンポラリー通信

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2012年 10月 17日

寒い日ー蒼月・10月(14)

冷え込む。
展示を片付けてクシャミ連発。
ぞくっ、ぞくっと寒気がする。
外はいつの間にか、雨。
帰路は自転車は無理か・・。

昨日は午後からHさんの車で久し振りのドライブ。
南山奥の芸術の森へ行く。
今展示中の「パラレルワールド冒険譚」を見る。
山中は大分紅葉が進んでいる。
澄んだ空気に陽光が優しい。
照明に工夫を凝らした館内展示を見て、それなりに各作家の
力量を感じながらも、もっとこの自然光を活かしたら良いのに
、と感じていた。
特に一原有徳さんの鏡面ステンレスの作品にはその事を強く
感じる。
野外の水や森、空を映し込めば、もっとこの作品は説得力を
増すような気がする。
後は個人的には久野志乃さんの新たな転回を感じさせる作品と
武田浩志さんの柔らかな品の良さが印象に残った。
武田さんはより内面的に深化しつつあるのではないだろうか。

この室内美術館の在る空間には、いつもどこかで造られた違和
感を感じている。
本来南の山中の豊かな森である。
その環境を純粋野外だけでなく、室内にももっと取り入れて自然
光を増やすべきといつも感じる。
敢えて室内だけの照明にする必要性は、もっとこの自然の中では
調整されても良いと思うのだ。
南国の強い光とは違う北の光の柔らかな優しさを、もっと意識的
に活用すべきと思うからだ。
外にずっと展示されている南の国の作家の造形は、北の光・空気
にはそぐわない気がした。
せっかく北の自然に囲まれた空間なのだから、その事にもっと
積極的に意識的であるべきと思う。
花の中川幸夫さんがここでは展示をしなかった理由もその辺りに
あるような気がする。

野上裕之展でお借りした森美千代さん所有の野上作品をお返し
し、竹本英樹氏所有の作品、中嶋幸治さん撮影の写真、山田航
さんの短歌作品、山内慶さんのル・コルビジュエの額装等を保管
する。
空間は真っ白になり、作品たちが存在した時の緊張感は、まるで
夢のようである。
20年前に展示した岡部昌生氏の砂澤ビッキをフロッタージュした
作品が音威子府村のビッキ館で展示との案内状が届く。
珍しく岡部氏のコメントも添えられて、20年前の記憶が甦る。
そして久し振りに、旧友岡部の旧作を並べてみようかという気持
になる。保管庫には多くのこの頃前後の作品があるからだ。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-10-17 14:41 | Comments(0)


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