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テンポラリー通信

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2012年 09月 20日

秋田奈々展終るー月暈・9月(14)

最終日、切れ目なく人が来る。
天気も崩れず終日柔らかな光が会場を満たす。
写真家S氏が初日に続き、最終日も美味しいかりんとう
持参で顔を出す。
柔らかな秋田さんの写真と対照的なS氏の作品。
テーマとなる風景の視座はどこかふたり共通するもの
がある。
ただ実際の写真表現は、秋田さんの女性的で柔らかな
視点に比し、S氏の作品はより硬質である。
その違いが逆に引き合うのかも知れない。

アメリカ・シアトルに短期留学中だった瀬戸くんが、
昨日帰ったよ、とひょっこりと顔を出す。
今から釧路の実家へ帰ると言う。
まだ大学は夏休み中なのだ。
しばらく見ない内に日に焼けてスリムになり、精悍な感じ
である。
お土産ですといって、シアトルブレンドの珈琲をくれる。
お餞別もあげなかったのに、と恐縮する。
フレンチ仕上げの美味い珈琲だ
そしてこの日氷菓のGG君を沢山差し入れてくれたI嬢が、
大きな荷物を持っている瀬戸くんを駅まで車で送ってくれる。

夜搬出は翌日にして、打ち上げで居酒屋ゆかりへ行く。
美術館の学芸員のF氏、歌人の山田航さん、秋田奈々さんと
私の4人である。
釧路の美術館でマイケル・ケインの写真展を企画したF氏の
話が面白かった。
道東の自然の中に立つ一本の樹の写真は、3・11被災地の
奇跡の一本松と重なり、その樹の最後の違いが一枚の写真
から発して記憶に刻まれる。
一方の樹は倒され、一方の樹は人工的に保存される。
しかししてその記憶に遺される姿は、写真が刻んだ在りし日の
姿である。
写真というものが保つ記録性と視角の保つ事象の本質照射へ
の視角。
そのふたつの視角が、場という現実的な状況を通して抽象され
結晶する。
それが写真というものの本質にあるような気がした。

今週はしばらく休み、体調を整える積り。
明日は大阪で藤谷康晴個展初日。
藤谷さんのライブドローイングと鈴木余位さんの撮影が
成功裡に終る事を楽しみにしている。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax-011-737-5503

by kakiten | 2012-09-20 11:50 | Comments(0)


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