どんよりと雲低く湿度が少し高い日。
気持も冴えない。
昨日の展示を今朝あらためて見る。
緊張感ある良い展示と思う。
作品の質の高さが、空間の深度を保っている。
たまにこうして収蔵品だけで空間を構成するのは楽しい。
ただ会場の使用者がいない時でもあるので、実は苦しさと裏腹
でもある。
公共・半公共的なこの社会のインフラ装置は、否応無くその
<公>的力を行使してくるからだ。
滅私奉公の<公>は、一見ソフトな顔をして今も存在するような
気がする。
電気・水道・ガス・石油・電話・家賃・食費と、最低限の生活インフラ
の包囲網は隈なく生活の隅々にまで張り巡らされている。
公共・半公共料金という名の半強制力を保つこれらのインフラは、
衣食住に深く関わり官民を問わず時に牙を剥く。
金銭という鎖や手綱が切れると、その関係は共存から対峙へと転じる。
そして孤立したまま閉じた部屋で、孤独死する人もいる。
幸い自分はまだそこまで孤立してはいないが、その際までは何度
も経験しているような気がする。
都会の中心から幾重もの際(きわ)を通り過ぎて来た。
埋没する事無く、エッジの先端でいつも発するなにものかであろう
として来た。
その事だけは今もいえることだ。
際(きわ)とかエッジというものは、けっして追いやられた土俵際の
位相でではない。拮抗するエッジなのだ。
ラデイカルな第一線の位相である。
負け惜しみではない。
中心には埋没せず、世界と向き合おうとしてきた。
何を言いたいのか。
繰り言のように呟いている。
そして夢想している。
海の際、山の際、村の際、川の際、丘の際を、今も歩き続けている
自分を。
*「記憶と現在」展ー8月17日(金)-31日(金)am11時ーpm7時。
月曜定休。
*秋田奈々写真展ー9月中旬~
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503