午後から藤谷康晴さんも来て、「記憶と現在」展の展示を終える。
先月に新収蔵品となった藤谷さんの「海際のコスモス」も含めて12人の
作家の作品を展示する。
メインは一原有徳さんの「鏡面ステンレス+アセチレン焼+フォートエッチング」
に藤谷さんの「海際のコスモス」を並べる事である。
人工的な岸壁と有機的な岸辺の「海際のコスモス」と大津波の海と空のような
一原さんの鏡面ステンレス3点組作品を対比し構成する事が今回のテーマで
ある。
その下の床に戸谷成雄さんの木彫「雷神」の一部、佐々木徹さんのビニール
布彩色の作品、西雅秋さんの鉄の作品「AIR HIROSHIMA」を配した。
さらに神内康年さんのアルミのメッシュに土の作品「UNTITLED」を反対側の
壁に飾り、窓際にアキタヒキさんの「ヴェトナム座礁船」の写真を置き、その上
に野上裕之さんの「鳥」を吊った。
安斎重男さんの「掌のジャコメッテイ」は、いつもの芳名録台の上に飾る。
さらに入口横の奥まったコーナーに、村岸宏昭さんの絵画「蹲る」を遺稿集
とともに別枠で展示する。
そして鯉江良ニさんのヒロシマの土の「飛礫」と上野憲男さんの「海」の版画
2点も空間の句読点のようにさり気なく配した。
こうして浮かび上がった空間は、3・11以降の都市と核と自然の原風景を
顕現している。
藤谷さんも個展時とは違う自らの作品の見え方に満足している。
一原さんの鏡面ステンレスに映しこまれた自作品を熱心に眺めていた。
それから奥でこの日持参してくれた藤谷さんの個展時のライブドローイングの
撮影映像を見る。
最終日壁に直接描いた藤谷さんのパフォーマンスを撮影した映像である。
これがなかなか面白く、この時間限りのドローイングする姿と作品が活き活き
と記録されている。
藤谷さんの筆の動きを映像で見ながら、ふと鈴木余位さんの8mm映像の
目の動きを思い出していた。
このふたりは共通するものがある。
藤谷さんのライブパフォーマンスはこれは是非とも余位さんに撮影して
貰うと良いと思った。
その事を藤谷さんに話す。
年齢も感覚も非常に近いものがあるからだ。
9月の大阪個展時には是非頼むと良い。
そう提案した。
この映像を鈴木さんに送り、心から頼んだら良いよ・・、と半ば強引に話した。
映像でしか残らないライブである。
これは撮影者と波長が合う事が重要なのだ。
展示の助成から話は別の方向に発展してこの日の作業は終った。
お盆最後の日。
気持良い展示となったと思う。
*「記憶と現在」展ー8月17日(金)-31日(金)am11時ーpm7時。
月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503