雨の日の昨日、お墓参りに行く。
墓地は雨に濡れ、いつもの騒がしいカラスもいない。
人も少なく、墓石が濡れて立っている。
それでも水をかけ、一年分のご無沙汰を詫びて手を合わす。
途中の花屋で買った小さな花束を供えお線香と蝋燭に火を点ける。
蝋燭の炎は雨ですぐに消えてしまったが、線香はなんとか煙をあげている。
母や妹や弟、死んだ女房と一緒に来たことがふっと甦る。
そういえば、いつもお盆は賑やかだった。
そして家の仏壇の前には沢山のお供物が並んでいた。
スイカに桃に玉蜀黍・・。
大きな花瓶にお花がふたつ。
遠い昔には親戚が集まって、久し振りに会う従兄弟と遊ぶのが楽しかった。
祖父を中心に、叔父さん、伯母さんが来て何か華やかだった気がする。
お盆とお正月に段々と人の集まる事が減って、今はひとりで墓地へ行く。
そういえば、こんな雨の降る日の墓参は初めてかもしれない。
いつも暑くて墓石にかける手桶の水が涼しかったから。
人気のない墓地に静かに雨が降る。
墓石は充分に濡れているが、石肌に付着した古い枯葉を手で落とす。
黒々と墓石の背後に刻まれた戒名と名前が浮かんでいる。
百余年の家の歴史が沈んでいる。
ここを詣でた7年前若い友人が四国の川で遭難死した事も思い出す。
この時が初めてひとりで墓参に来た日だったなあ。
暑い日でその後精進川の小道を歩いて、円山の友人宅へ行ったら、
彼の死を知らされたのだった。
みんながテンポラリーに集まっていると聞かされ、その後テンポラリー
へ行く。
あれからもう7回忌の夏が来た。
今年のお盆に初めて雨が降る。
そして、いつの間にかひとりで墓参をするようになって、7年になる。
*「記憶と現在」展ー8月17日(金)-31日(金)am11時ーpm7時。
月曜定休。
*秋田奈々写真展ー9月中旬~
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503