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テンポラリー通信

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2012年 08月 05日

言葉と旋律ー熱月・8月(7)

久し振りにH学園大学准教授をしているTさんが来る。
教え子の夢野久作研究をしているAくんと一緒だった。
そして夜間の同大学院修士課程に学ぶ山田航さんも後から来た。
おかきとビールの差し入れを頂いたので、みんなで飲む。
山田さんの処女歌集「さよなら バグチルドレン」の見本刷りが
仕上がっていて見せてくれる。
東京・フランス堂出版のとても瀟洒な良い造本である。
今月半ば過ぎには無事出版されるようだ。
一読して中味も鋭い批評精神に裏打ちされたラデイカルな同時代の
言葉が詰まっている。
優れた第一歌集になる事だろう。
この日はこの後居酒屋に行き飲み過ぎる。

若干二日酔いの翌日午後東京から帰省した文月悠光さんが来る。
森本めぐみさんも来て、ふたりで文月さんの第二詩集の装丁等の
打ち合わせをする。
明年春出版予定で第一詩集に続き、森本さんが装丁画を担当するようだ。
ふたりのこの3年間という大きな変化の時に再びコンビを組んで新たな仕事
を共有する。
それぞれの人生上の大きな転機を共に見詰めあいながら、一冊の詩集が
出来る。
絵画と言葉というジャンルの相違を超えて同じ方向を見詰める。
きっとここでも優れた詩集か出来上がる事だろう。
四方山話も含めて話は閉廊時間近くまで続いた。

その後今村しずかさんのライブを聞きに、平岸まで行く。
ここでした3人にまた違うメンバーが3人加わり、さらにバックの演奏が濃くなる。
ベース、ピアノ、サックスを加えた6人編成となる。
ここでのライブはギター・ヴォーカルのふたりにドラムの3人だったが、これだけ
他の楽器奏者が増えると、歌の言葉よりも手練の演奏者の旋律の方が強くなる。
今村さんのヴォーカルは言葉が主体の聞かせるフォークなので、言葉よりも
旋律の方が強くなると私としては、言葉は抜きに演奏だけの方がすっきりと
して聞けた気がした。
基本は弾き語りのように言葉を主体にしたスタイルの方が今村さんには
適している気がする。
あるいは彼女の曲を歌は抜きにして、メロデイーだけで聞かせるかどちらか
ではないだろうか。

蔦が風に身を震わせて、大量の種子を放出している。
人間も人間の精神活動の結果として、多くの絵画や詩や歌や音楽を産み
出している。
時代の風に身を震わせて、創造の種子を放出する。
その種子が何時の日か同時代の土壌に根付いて花咲き実となる事を信じて、
人間もまた蔦のようにこの今を生きている。

*「この世界に」展ー8月5日(日)まで。am11時ーpm7時。
 :今村はまなイラスト・漫画×森本めぐみ(絵画)+村岸宏昭(絵画)
 :今村しずかCD「この世界に」-1200円。
 :今村はまな作品集「私もその自然の一部なんだ」-1500円。
 :村岸宏昭遺作集ー2000円。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-6603 

by kakiten | 2012-08-05 14:05 | Comments(0)


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