作品が心を繋いでゆく。
何の脈絡もない人のそれぞれの生き方の結晶のようなものが、
ひとつの場で木霊する。
作品は万華鏡のように心の光を反射して、不思議に新鮮な世界を
一時顕現させる。
たしかに姉妹という関係はある。
しかし一方は難病を抱え酸素吸入をし電動車椅子の生活であり、
一方は健常者で普通の社会人である。
姉妹とはいえ、その生活は大きく違っている。
そして病の姉は7年前に他界する。
生と死がさらにふたりを永遠に別けたのだ。
「なみなみとして持つ」という大作の絵画がある。
赤が印象的な作品である。
この作者は2010年当時大学4年生。ふたりの姉妹とは何の脈絡もない。
そして2006年8月に四国の川で遭難死した当時大学4年の青年がいる。
その青年の高校時代の遺作画が今飾られている。
これも上記の人たちとは何の面識も脈絡もないのだ。
いえることは、それぞれが残した作品がこの4人の人たちを結びつけて
今会場に在るという事である。
そして会場には時々歌が流れている。
その歌詞には赤い大作「なみなみとして持つ」に触発されて生まれた歌がある。
さらに死んだ姉の遺したイラストと漫画の作品集のタイトル「私もその自然の中
の一部なんだ」を歌詞に取り込んで歌われた歌もある。
四国の川で遭難死した青年が遺した曲は、この歌い手のCD発売記念ライブで
見事な声だけのメロデイに載せて唄われたのだ。
作品が作品を挽き出して行く。
その事実は言葉を変えれば、魂が魂を呼んでいるからだ。
今回短い期間ではあるけれども、ふっと寄り添うように4つの魂が集まって
小さな展覧会となった事をとても深く感受している。
今村しずかさんの初CD発売を記念して、小さな熱いライブを行いその流れ
の中で身を寄せ合うように寄り添った4人の作品たちに感謝する。
以下に各作品名を記してその気持を記す。
今村はまな「私も自然の中の一部なんだ」イラスト・漫画作品集と原画。
今村しずか「この世界に」CD作品集。歌:迷宮の扉・未来へ・この世界に・
明日への光・雨の散歩道。
森本めぐみ絵画「なみなみとして持つ」「舟がくる」アクリル・水彩。
村岸宏昭絵画「うずくまる」油彩。遺作集「自分を代表させるような仕事は
まだありません」(かりん舎刊)
*「この世界に」展ー8月5日(日)まで。am11時ーpm7時。
今村しずか「この世界に」CD-1200円。
今村はまな「私もこの自然の中の一部なんだ」作品集ー1500円。
村岸宏昭遺稿集ー2000円。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503