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テンポラリー通信

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2012年 07月 29日

私もその自然の中の一部なんだー熱月・8月(1)

今は亡き今村はまなさんの作品集が復刊された。
2005年3月病の為この世を去った今村しずかさんのお姉さんである。
生前描き溜めたイラストや漫画が2004年一冊の本となっている。
今回妹の今村しずかさんが初のCDを出すにあたり、その中に収録さ
れCDのタイトルともなっている曲「この世界に」は、このお姉さんの作品
集「私もその自然の中の一部なんだ」から歌詞に取り入れたという。
そして長らく絶版となっていたこの作品集を自らの初CDとともに復刊
し同時に発売されることになった。
出版記念ライブとなる本夕、本とCDが同時に発売される。
先日このCDに収録されている作品の曲の切っ掛けともなった森本
めぐみさんの大作「なみなみとして持つ」と今年6月にここで出来た大作
「舟が来る」の2点を、今村しずかさん、有山睦さんとともに展示した。
そしてお姉さんのはまなさんの遺作パネルも2階に展示をした。
さらにこんどのライブで初披露されるムラギシ作曲の「撓む指は羽根」
の為に彼の遺作画も併せて展示した。
展示を終えてから今回のCDの録音時の今村しずかさんひとりだけの
弾き語りを流した。
CDに録音される前の録音である。
ひさしぶりに見る森本さんの作品と今村さんの歌声は見事にマッチして、
その歌詞も含めて作品同士がドラマのように交響している。
絵画が保っているドラマと唄が語りかけるドラマが、こんなにも響き合う事
はそうそうあるものではない。
これを聞いたら多分森本さんも涙が止まらないのではないだろうか。
作品はこうしてもう作家の手を離れて独自の世界を創っている。
ひとつの優れた作品がさらなる他の優れた作品を誘発する。
作品の優れたプラスの連鎖作用である。
妹が亡き姉を想い、画家が熱い情熱を保って命を想う。
その絵画が音曲を誘発し、その楽曲が他者の心を撃つ。
今回の初CDはそうした他者との心の深い交流が幾重にも重なって出来上
がった稀有なCDである。
遠くドイツからパッケージデザインを送ってくれた谷口顕一郎さんのCDデザ
インも含めて、他者が他者を想う気持ちが結晶して出来上がっている。
展示を終えて今度は奥で新CDを聞いた。
古館賢治さんのギター、有山睦さんのドラムとともに、今度は音源だけで
世界が広がる。
やはりこれがCDとして完成された音源である。
さらに最後に敢えて今村さんの希望で再収録された2009年モエレ沼ガラスの
ピラミッドで録音された今村しずか作曲の本人抜きの「雨の散歩道」は、曲の
もうひとつの弾き語りとは違う側面を見事に引き出していて解放感に満ちている。
これもひとつの作品が多様な展開を保つ豊かさを示唆して象徴的である。
この一枚のCDは、そうした作品の保つさまざまな多様性を結晶して今夕世に
送り出される。
死者も含めて多くの人の心がドラのように鳴り響く小さな港から・・。

*今村しずか「この世界に」CD発売記念ライブー7月29日(日)午後7時~
 有山睦(ds)古館賢治(g)。
*「この世界に」展-7月31日(火)-8月5日(日):今村はまな&森本めぐみ

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
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by kakiten | 2012-07-29 15:06 | Comments(0)


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