葉書大のスケッチが18枚会場に飾られている。
これは季節を追ってスケッチされたハルカヤマの展示作品を
描いたものである。
雪の中、落葉の中、若葉の中、そして高速道路から見た作品の
佇まい。
これらの水彩のスケッチの筆触が、誠に初々しい。
一年を通して展示している作品を見詰める作者の柔らかで暖かい
眼差しが感じられる美しい佳品である。
アクリル板のモダーンな角柱を組み立てる現代的な造形感覚と同時に
こうした愛情溢れる柔らかな水彩スケッチを描く両面性をこの作家はも
っている。自然の中に常置された自らの作品を見詰める暖かく柔らかい
感性が、このスケッチ画の筆触には充分に感じられて、この感性こそが
本来の中橋修なのではないか、と私は感じている。
造形的なアクリル素材の作品は中橋さんの純粋観念の形象でもある
だろう。しかしこの水彩スケッチは、より感性が外部へと開かれて素直に
感じられてあるのだ。
それは四季を通して周囲の変化を含めて作品を見詰める柔軟で暖かい
筆触に顕れている気がする。
実はこの自らの内部の眼差しの発見こそが、春香山山麓での展示を通し
て得た最大の収獲ではないのだろうか。
これまで発表されてきた作品の多くが都市の人工的な室内空間であり、
その作品の多くがその人工的な空間に対置するかのように純粋造形の作品
が多かったと思われるが、昨年の春香山山麓での展示、さらにその一年間
を通した自らの造形物の環境との変遷を見詰めた経験が、環境との対置から
対話へとその内なる別回路を開いたように感じられるのである。
その回路の証が、この水彩のスケッチの非常にナイーブな筆感に顕れて
いる気が私にはする。
今回初めて発表されたこれらのスケッチ画は、今回のこの空間の選択も
含めて、正に外部世界と内部世界の観念対置からより対話的な外部世界
との相渉る関係性の回路の顕現としてあるように私には思えるのだ。
*中橋修展「内包ー呼応する場」ー7月25日(水)まで。
am11時ーpm7時。
*今村しずかライブー7月29日(日)午後7時~
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503