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テンポラリー通信

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2012年 06月 24日

モナリザのようにー命月・6月(17)

誰かが絵の背景に描かれた風景を指して、モナリザの絵の背景の
ようだと話しているのを聞いた。
その時ふっと、そうかと思った。
正確に覚えていないが、背景の色彩と広がりにそんな共通性を感じた。
森本めぐみさんの作品「舟がくる」の事である。
有名な「モナリザ」は上半身の肖像である。
乱暴な想像だが、もしモナリザの下半身が疾走したとするなら・・という
妄想が浮かんだのだ。
ぎゅ~んと、足を跳躍させて走る。上半身は見えない.
そして背景は変わらない。
謎の微笑は見えないけれど、謎は画面に漂い残っている。
禁欲的なモナリザの内なるマグマ・・。
そんな妄想がふっと横切って、この「舟がくる」の大作は時に謎に
満ちたモナリザの破顔にも見えてくる。
誰かの一言で、絵画の見方は微妙に変化したりする。
その事の良し悪しを言う積りはない。
いろんな回路があるのは、絵画自体が豊かだからである。
<しゅったつ>のキーワードは変わらないと思えるが、号砲一発
スタートといった<しゅったつ>が現実にある訳ではない。
個人的状況の内面で闘われてある、極めて個別で濃密なものが
ある普遍性を獲得しようとする、それが表現の産みの苦しみである。
そう思う。
取り澄ます事のない現代のモナリザは、顔を消して疾走する下半身の
ように行動的であって、しかしして同時に謎の微笑をも画面に漂わせて
いる。
森本めぐみさんの真摯な出立の表現である事は、変わらない。
今日が最終日。
公開制作も含めて3週間。
長いようで短く感じられる充実した会期だった。
森本モナリザさま、ありがとう。

*森本めぐみ展「舟がくる」-6月24日(日)まで。am11時ーpm7時。
*藤谷康晴展「WILD BRIGHTNESSー幻視の狩人」-7月5日(木)-
 15日(日):7月2,3,4日展示作業。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-06-24 12:46 | Comments(0)


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