人気ブログランキング |

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2012年 05月 31日

森ワールド炸裂ー玄黄・5月(22)

2階吹き抜け壁には、森美千代さんの写真が氾濫している。
大木裕之的契機によって、心のつっかえ棒が外れたかのように、
展示が炸裂した。
透明なA4フイルムに印画された花・風景・昆虫等が30枚ほどランダムに
壁に散乱している。
さらに昨日書の作品も壁に加えられ、2階はほぼ森美千代ワールドが
広がる。
1階は大木裕之のランドフイルな世界が堆肥のように耕されて広がり、
この1、2階の対比はある種花と苗床のようにも感じられる。
森美千代的世界を導き出したのは、この土壌のような大木的ランドフイル
の所為である。
この後大木裕之は、いかなる映像をこの森的世界も含めた土壌から独自に
構築して行くのか。
滞在制作2日目にして、「メイ」9年目の土壌は整ってきたのである。
そして今回の滞在によって、さらに新たな出会いが日々生まれ、昨日はアイ
ヌ学の雄宇田川洋さん、造形作家山里稔さん、歌人の山田航さん等今回の
札幌訪問で初めて出会う人たちとの交流が生まれつつある。
森さんや私のように「メイ」撮影初回時からの友人とはまた違う人との出会い
が、大木さんの映像世界をさらに重層させていく契機ともなってゆく筈である。
当初の滞在予定を延長し、最終日まできっちり滞在する事を昨日宣言した
大木裕之は、最終日前日に映像作品「メイ」の一部上映を昨日語った。
9年という長丁場の作品である。
この間円山時代の友人たち、この世を去った友人、今のこの場所との環境の
相違も含めて、この作品はある分岐点を今迎えているとも思える。
それは作品に登場する人、風景だけではなく、大木裕之自身のある意味での
この9年の総括・分岐点でもあると思える。
9年前に「メイ」撮影時に出会い、今回初のコラボレーシヨンともなった森美千代
さんの写真家としての自立参加をさせた事も含めて、大木さんの耕す映像世界
はこの場におけるある時代の幾多の人生の断面を記録し記憶させる。
大木裕之とは、カメラという鋤・鍬を通して土地を耕す農夫のように、人間という
花を耕して行く。
そういう稀有な映像作家であると私は思う。

*大木裕之滞在制作展「メイ」-6月3日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
*森本めぐみ展ー6月6日(水)ー18日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax-011-737-5503

by kakiten | 2012-05-31 12:23 | Comments(0)


<< 5月の最終日ー玄黄・5月(23)      大木的ランドフイルー玄黄・5月... >>