竜巻が大きな被害をもたらし、ゴールデンウイーク後半は天変地異の
様相を見せる。
暖かい空気と冷たい空気が交錯する5月。
生命が沸き立つように地の底から萌え出ると同時に、死も一緒に
深い亀裂を見せて顕れるような季節である。
明の内に暗を見る。
そして遠くから声が届く。
吉増さんに続き、フランスから便りが届く。
ムラギシをこよなく愛した縁者の方からの便りである。
今年は宏昭ちゃんの7回忌・・・思いきって旅に出ました。
月命日の13日パリのポンピトウーセンターのシャガールの前では
やはり泣いてしまいました。
もう一通は、若い映像作家夫婦の引越し新婚写真付きの通知である。
これは川崎市に新居の通知である。
2葉の結婚式の写真と熱々のふたりの写真が入っていた。
死者を想い遠くへ旅している人、新婚に新居で命燃やす人。
何故こうも生と死が同時に熱く交錯するのか。
そういう季節なのだ、5月は・・。
遠い昔、私の誕生日の翌日が婚約者の急死の日だった事を思い出す。
明るい陽射しの中、無心にスケッチをしている小学生の群れを横目に
緑の燃える円山公園を急ぎ車で通り過ぎた。
朝の死者の報に急いで家に向かっていたのである。
あの時の明るい陽射しと心の内の暗い悲報の落差は今も忘れない。
生と死が際立つ季節。
それがこの北の5月である。
第一子誕生で、一升瓶一本担いで訪ねて来てくれた野上さんが来てくれた
日、妹の旦那さんが死去したという報が届く。
兄として何もしてやれないが、心から長年の看病と闘病を労わりたい。
何故こうも対極の生と死が隣り合わせるように、同時に訪れるのか。
5月の空の奥深く、深い闇の青が潜んでいる。
*「収蔵品・5月・明暗の季節」展ー5月8日(火)-20日(日)。
am11時ーpm7時:月曜定休。
*大木裕之展ー5月22日~予定。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503