遅れてK氏の八木コレクシヨンが4点並ぶ。
郊外大型書店を経営していた時代、常設作品コーナーを設けていた
K氏の収蔵品である。
やはり持ち主のカラーが出る。
八木伸子さんのセピア色のデッサン「宮の森風景」と八木保次さんの
グワッシュ作品3点。
すでに展示してあるH氏収蔵品と私の収蔵品とは分けて、2階廻廊に
展示した。
これでほぼあの時代の友人たちと八木保次・伸子さんとの交流を示す
人と作品が揃い、ひとつの空間を創リ出す。
ふたりの所有する作品は、すべて1980年代の制作年である。
私の所有する油彩の2点は1970年後半の作品で、八木さん夫妻が東京
から札幌に戻って来た頃の作品だ。
そうした事を考えると、一番交流の濃かった時が自ずと浮かび上がる。
常設コーナーを設けていた2007年頃のK氏の収蔵作品にしても、作品は
1980年代の作品である。
あるいは2000年代の作品もあるのかも知れないが、とにかくここに並んだ
作品はみなそれ以前の作品なのだ。
時は長さではない。その凝縮した時間の濃さである。
K氏の書店への夢、H氏の演劇への夢。
その夢の最も盛り上がった時に、期せずして作品の制作年が重なっている。
追悼とはそれぞれの故人への実感である。
その意味でも今回の作品の集まり方は、各々の実感の集積なのだと思える。
*追悼・それぞれの八木保次・伸子展ー4月17日(火)-29日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1ー8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503