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テンポラリー通信

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2012年 04月 11日

フランスパンと背広ー光陰・4月(7)

水道検査の人から水漏れでないか、と声が掛かる。
いつもより消費量が多いと言う。
水道管凍結の多かった3月、朝いつも熱湯で温めて水が出た。
近々検査をするという。
左手首骨折、首固まる、ギックリ腰そして今度は水道管と、まあ
あちこちでガタが来る年だ。
そんな時自転車のメンテに、山内慶さんが来てくれる。
水道管凍結時、パソコンマウスの破損時、自転車盗難時等々、なにかと
ちょうど困った時に現れるお奉行さまのような存在だ。
この日は一冬外に放置してあった自転車の調子を見てくれた。
油入れ、空気入れ、と細かくチェックしてくれる。
これからは彼の事を自転車奉行とでも呼ばなければならない。
時に水道管凍結奉行、時にパソコン奉行である。
ちょうどその後来た美術家の中橋修さんと3人でしばし談笑する。
中橋さんは昨年秋の春香山アートプロジェクトに参加し、今もそこに
作品を設置したまま記録を続けている。
野外の雪の中、雪融けと一年を通して自らの作品を記録している。
「芸術要塞」という多くの作家が参加したこのイヴェントで数少ない
非要塞派のひとりで、自然とともに少年のように活き活きと作品を創って
その場に根差す行為を続けていた。
会期後も作品を残し今もその記録を取り続けている。
後志国と石狩国の境に位置する春香山の山裾で、作品がその自然とともに
変容していく様子を一年を通して記録していくとても豊かな行為と思う。
先日見せて頂いた作品のスケッチは、とても気持の良いものだった。
中には高速道路から作品を俯瞰した一瞬を、スケッチしたものもあった。
そのどれもが自らの作品に対する深い愛情が感じられ、素直で綺麗だった。
イヴェントの会期中もそうだったが、この人は本当にこの場所と語らい触れて
作品と対話しようとしている。
その純粋な気持ちがイヴェント終了後もなお続いて、この場所との対話を
続けているのである。
この美しいスケッチも含めて、今年の初夏テンポラリーで展示をする事に
なった。昨日はその申し込みに来たのである。
山内さんも楽しみです、と言う。前祝に3人で山田航さんから台湾土産に頂い
たジョニーウオーカーの緑を飲んだ。
自転車奉行の顔がほころび、美術家の顔が少年のように赤くなった。

今日は八木さんおふたりの追悼会なので、ひさしぶりに背広姿にバーバリ
である。たまの背広ネクタイは、背筋が伸び気分的にピリッとする。
ちょうど朝食のフランスパンが切れたので、ドンクで買った。
いつものパン屋のお姉さんが目をパチクリしていた。
トックリセーターにボロ背広・帽子姿でなかったからだろうか・・。
私のフランスパンの朝食は、八木保次さんからの直伝である。
これも供養と、ふと思った。
あの山上のアトリエのストーブの上で炙って振舞ってくれたフランスパンの味は
忘れられない。

*追悼・八木保次・伸子展ー4月中旬予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-04-11 13:35 | Comments(0)


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