慌しい一日だった。
旭川から作品を運び込む斎藤玄輔さんを待つ間、パソコンのマウスを
変えようとして無理に押し込み作動しなくなる。
苛立っていた時に、齊藤さんが到着。
借りてきた車という事で、とりあえず作品を降ろして車は返しに旭川に戻る
という。そして翌日から札幌に滞在し展示。
そんな慌しい時に友人の山内慶くんが来る。
そこで早速パソコンの修理を頼んだ。
齊藤さんが荷物を降ろし車を返しに旭川へ一旦帰るとまもなく、河田雅文さん
が来て、山内さんとパソコンの修理状況を話し合う。
’98年型の古いものだから、話は進まない。
河田さんは、土産の手作りソーセージとベーコンを置いて帰る。
しばらくパソコンと悪戦苦闘した山内くんのお陰で、やがてパソコンが起動する。
やったぜ、と顔を見合わせてほっとする。
自転車盗難の時、トイレの水道管凍結の時、そして今回のパソコンの故障と
彼は救いの神である。これからは兄貴と、呼ばねばならぬ。
私のような手の無器用な男には、彼のような人間は尊敬に値する。
それから河田さんに頂いた美味なるソーセージを肴にして、これも今村しずか
さんに頂いた妙なる沖縄土産の泡盛をふたりで飲んだ。
飲んでいる間の四方山話の合い間に、ふっと山内くんが吉本隆明が死んだ、と
話す。えっと、吃驚して聞き返した。ニュースで流れていたという。
私等の世代には、忘れられない存在である。
急にお酒が回ってくるのを感じた。
久野志乃さんの撤去、齊藤玄輔さんの搬入、パソコンの故障、吉本隆明の死
となんとも慌しい一日だった。
何はともあれ、今日から札幌に滞在して齊藤玄輔さんの展示作業が始まる。
*齊藤玄輔展ー3月20日(火)-4月1日(日)am11時ーpm7時:月曜休廊。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503