久野志乃滞在制作始る。
来月スペインでスペインの写真家の友人とのふたり展をする久野志乃
さんの渡欧前の制作が始った。
渡欧前深呼吸のように、息を整えて制作する。
そして帰国後息を吐き出すように、また制作をする。
そんな旅の前後の制作展示を提案した。
少し迷いはあったと思うが、今は爽やかな表情で絵の具と材料を担いで
やって来た。
私の付けた久野さんの仇名は、”渚のハイジ”で明るく元気な水の人である。
出身が太平洋の港である事もあるが、作品の基調に水辺が深く感じられる
からでもある。
スペインの友人との展覧会も水が主題という事で、東西の水へのイメージの
相違が海外で作品を通してもう一度見詰め直す機会と思える。
かって日本では、生れの違いを水の違いという言い方で表現した。
それ程水は地域と密接な関係性を保っていたはずだが、今はペットボトルの
商標ブランドになっている。
それぞれの生まれた場所の土地の水を再奪取するように作家はその表現で
対抗しても良い。
山も海もそうしてもう一度取り戻す行為として、考えても良いのではないか。
固有の山、海そして水、土、樹があるのではないのか。
例えばエルムの都といわれた札幌という都市がかってあったように、そこ固有
の有機的な自然を、久野さんは久野さんの水として取り戻す闘いを水の位相
において表現すべきと考える。
*久野志乃滞在制作展ー3月10日(土)-15日(木)
*斎藤玄輔展ー3月20日(火)-4月1日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
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