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テンポラリー通信

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2012年 03月 09日

「メイ」の声ー風骨・3月(6)

毎年5月「メイ」というタイトルで映像を撮り続けている四国在住の
映像作家大木裕之さんから突然の電話が来る。
昨夜のツイッター読んだ?と言う。
読んでないと応えると、今年の5月ここで「メイ」の個展をすると宣言
したのだという。
札幌の写真家Mさんと二人でするという。
もう5年以上毎年5月には「メイ」の撮影を続けているから、ひとつの
区切りの年と思ったのかも知れない。
「メイ」は、2003年の札幌で制作された「オカクレ」という映像作品の
完成後、やはり札幌からスタートした連作作品である。
私やMさんやOくん等が出てくる大木監督の独特の札幌を主たる背景に
した心象映像である。
何故5月なのか、何故札幌から始ったのか。
そこには何かを定点観測していこうとする、大木さんの決意のようなもの
が潜んでいたと思える。
テンポラリースペース自体の円山北町からの撤退も含めて、継続して
記録していこうというなにかがあったと思う。
「メイ」の前に創られた「オカクレ」という映像は、大木さんの父上の死を
切っ掛けに創られた心の独白に満ちた作品だった。
多分ある時から最も対抗した存在だったであろう父の存在。
その死を見詰めて、札幌郊外と石狩の海をどこかデスペレートな心情で
放浪し、癒した剛直な大木裕之の亡き父へのオマージュに満ちた作品
だった。
「メイ」の連作がこの父の死以降に創られる事実は、この北国の再生の
時・5月(メイ)という時とどこかで深く結びついていると思える。
さらに昨年暮の吉増剛造「石狩河口/座ル ふたたび」展の影響も
あると考える。
多分この18年ぶりの「・・ふたたび」にどこか心の心底で深く反応した
ものがあった筈である。
5月「メイ」展の折りには、「緑の運河エルムゾーン」を案内し、大木裕之の
映像がこの切れ切れの風景を有機的に再生し、新たな「メイ」の最終章を
完成させる事を希うものだ。

*久野志乃滞在制作展ー3月10日(土)ー15日(木)
*斎藤玄輔展ー3月20日(火)-4月1日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-03-09 13:05 | Comments(0)


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