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テンポラリー通信

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2012年 03月 07日

充血した眼ー風骨・3月(4)

正木基さんや早川禎治さんからの便りを読んで興奮したのか、
左眼が異常に赤くなっていた。
たまたま訪れたMさんに指摘されて気付く。
この日は旭川の斎藤玄輔さんから航空便で出来上がったフライヤーが
届き、同時にメールで会場使用の事で問い合わせもあり、休み明けに
急ぎ処理しなければならない事案が続いた。
そこへふらっとSくんが来て四方山話をしていったが、頭は正木さんや
早川さん、さらに斎藤さんへの返信の事で一杯だった。
月曜日一日ぼんやりとしていた反動で、急に血圧が上がったのかも
知れない。
外気温はプラスに転じ路面は濡れて雪融けが進んでいるが、どこか体の
芯に寒気が蹲っている気がする。
こういう時期は体調を崩し易いものだ。
3・11に向けて連日TVでは、東日本大震災のこの一年を回顧する番組
が放映されている。
コマーシヤルも無かった息の詰まるような一年前を思い出す。
さらに今は時が経った分だけ喪失感が深くなった被災者の現在もあって
、辛い重い気持が押しよせてくる。
目に見える被災と目には見えない普通の風景の中の原発被災。
この陰画と陽画のような二重の被災が、日常現実に重なってフラッシュ
バックするかのようである。
今の季節の目に見える暖気と身体の奥に残る寒気の二重性と
この二重震災の風景が重なっている。
福島の漁師さんが、放射能検査の為に網を揚げた魚を見て、
「見た目は以前と変わらないのだがなあ、」と呟く。
網にいっぱいの魚群たち。
この豊漁の網の中の魚はどれも出荷はできない。
そしてそれがいつから市場に並べる事が出来るかも不明である。
豊かにたくさんの魚が元気に跳ねている。
しかしそれとは正反対の冷え冷えとした見えない現実がある。
この画面を見た時、何故か体の奥の寒気が震え反応したのだ。
季節の寒気と暖気の交互の不安定さが、この画面と同調していた。

今朝大分赤目が消えた。
でもどこかで寒気がする。
弥生・3月初旬。
風骨貧しく嫌な季節である。
早く黄金色に輝く福寿草が見たい。

*久野志乃滞在制作展ー3月10日(土)-15日(木)
*斎藤玄輔展ー3月20日(火)ー4月1日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-03-07 12:52 | Comments(0)


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