相変わらず朝の水道凍結が続く。
少し知恵が付いて、前日電気ポットに水を入れておく事にした。
翌朝それを沸かしてポットのお湯を蛇口と水道管に注ぐのである。
これで大分解凍の時間が短縮された。
灯油ストーブで部屋の温度が上がるのを待つよりは、早い。
このところ病院行き等で休む日が続き、気温の低い日も続く。
一日空けると無人の建物は一層冷え込む。
水道管凍結、左手首ギブス。
なにやら建物も体も固まってばかりである。
九州の阿部守さんより電話が来る。
来月初旬来札予定。
フライヤーの出来を楽しみにしている様子だ。
そして清華亭展示前後にオホーツクの流氷を見に行きたいという。
網走の佐々木恒雄さんを紹介した。
流氷だけではなく、佐々木さんの人と作品も阿部さんには見て欲しい
と思ったからだ。
網走の漁師画家佐々木恒雄の九州への足がかりとなると思える。
北の端から南の端へ彼の作品なら充分通用する力がある。
また逆に遠く離れた場所でこそ、その価値が見えるものもある。
さらに出来るならオホーツクの青い海の流氷は、ガラス作家の高臣さん
にも見て欲しいと思う。
流氷は自然の透明な結晶である。
溶岩の力が生んだ黒曜石の透明さに感動した高臣さんなら、流氷の
水の結晶が生む透明感にも感動がある筈と思うからだ。
鉄とガラスのふたりの作家が、期せずして水と火の力によって自然が
創った透明なふたつの固体に出会うとすれば、それはとても良い体験
となるに違いない。
鉄もガラスも火と水の力によって、最終的に固まって作品となる。
その原点のような経験を、黒曜石と流氷は見せてくれるに違いない。
泉は地中から透明な水を湧き出し、溶岩は地中から透明な黒曜石を
造りだす。
それらは冷えて固まると、透明な氷と石になる。
凍結もまたここでは自然の美である。
火も水も鉄の作家とガラスの作家にとっては、大きな自然の匠の力である。
それは今回のヌプサムメム(野傍の泉池)=清華亭庭一帯を表意するアイヌ
語地名を主題とするふたり展の基底に繋がるラデイカルな旅となると思える。
*阿部守(鉄)×高臣大介(ガラス)展「野傍の泉池(ヌプサムメム)」
-2月14日(火)-19日(日)AM11時ーPM7時
*同上清華亭外庭展ー2月13日(月)-26日(日)
am9時ーpm4時
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503