8日の日曜日は、夕方4時からフォークソングの歌い手及川恒平さん
の今年初のライブが催された。
さまざな詩人の詩を取り上げ、声に響かせる唄のひと時だった。
独特の透明な歌声が、白い空気の中に流れる。
曲目は定番ともなった糸田ともよさんの詩が多かったが、私には
後半の吉田一穂の「惜春譜」と西条八十の「蘇州夜曲」の組み合
わせが新鮮だった。
昭和の対照的な生き方のふたりの詩人の詩を、及川恒平は見事に
歌い上げていた。
昨年末の吉増剛造の詩朗読、年明けて及川恒平の歌唱。
声の渦が時代を超えジャンルを超え、極北の星のように輝いている。
冷気は高まり空気も白く凍てついているが、この場は熱く清冽な時が
流れていた。
「冬の鏡」と題されたコンサートは全16曲、語りを交えながら淡々と
進み、夕暮れの青い光が消え灯火の明るさとともに終った。
その後は定休日にもかかわらず店を開けてくれ、ライブにも来てくれた
宇田川洋さんの居酒屋に行く。
こうして今年の静かな船出が始る。
吉増さんとも今日連絡が取れ、無事作品が届いた事を聞く。
これでやっとひとつ年が終わり、年が始った気がする。
吉増さん曰く、この会場の光をテーマに11ヵ月後の次なる個展を
意識的にさらに継続的に創りあげようよ、・・と。
恐ろしや・・。
まだ死ねぬ、なあ~。
*阿部守×高臣大介展ー次回
*佐々木恒雄展・斎藤玄輔展(2月予定)
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