人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2012年 01月 05日

白い朝の夢ー睦月(2)

道外の発送は今日からという事で、昨日の発送は叶わなかった。
吉増剛造の銅板長尺4巻は、まだ会場の隅に在る。
発送が終るまで、なんかまだ終っていないようで落ち着かない。
つくづく人間とは意識的動物と思う。
多分地球は毎日変わらず日の出を迎え日の入りを繰り返している。
その一日だけを特別な元旦とするのは、人間の意識であるだろう。
新年という意識も人間の社会的決め事がもたらした特権的時間である。
国によっては正月は別の月である国もあるからだ。
今回の全力投球吉増剛造展を通して今の時間を考えると、私には
新年は今だ展覧会の終了時の余韻の内にある。
新しい年というより、ひとつの仕事の終わりの内にまだ時がある。
次回予定したふたりの作家の予定が叶わず、来週からの展示が未定の
事情もあるが、ある意味まだ年末のような気分である。
まあ正月は正月らしく、少し休んだ方がいいのかも知れない。

 大きな渦の様な年末の・・・8mm filmのまったく新しい仕事の気配!!
 楽しみです。

と、映像作家の石田尚志さんから年賀のメッセージがあった。
鈴木余位さん、吉増さんとの新たなコラボレーシヨンが予感される。
そうだなあ、もう今年の師走の予定が着々と進行しつつあるのだ。
これが新年というか、新しい出発の号砲なのかも知れない。
<この師走、ふたたびのおねがいをこめて・・>という吉増さんの
年頭のメッセージとともに、銅板長尺4巻の龍は空高く舞い上がって
正月を飛んだという事だろうか。
そういえば、8mm フィルムの飛び交う様子が、年末に頂いた余位さん
撮影の東京都現代美術館での石田×吉増オペラシオンの映像にあった
のを思い出す。
あのフィルムが空を飛び交う様子は、龍のようである。
ふたりは龍のように舞台で描き、舞うように行為していた。
あのフィルムが宙を舞うパフォーマンスは、石田さんの龍。
長尺の銅板は、吉増さんの龍。
石田さんの絵筆の舌先と吉増さんのハンマーの鉤爪。
口に鈴を咥えて、床を叩く。
あのふたりのパフォーマンス、あれは龍の舞だ。
そして潜在的なもう一匹の龍が、鈴木余位さんである。
この3匹が緑の運河エルムゾーンを縦横に疾走する。
それが物流の直線構造に対峙する磁場の創造である。
龍とは同時に有機的な川の龍泉でもあるのだ。

ふっと見た今年最初の夢。
それが3人による龍泉のような熱い銀色の夢であったのだ。

*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-05 13:12 | Comments(0)


<< 赤・光・水ー睦月(3)      青い空と白い雪ー睦月(1) >>