テンポラリー通信

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2011年 12月 29日

あと二日ー烈々布(34)

展示も今年も本当にあと二日。
早いなあ。
白く凍てついた道を歩いた日が夢のよう・・。
都心に奇跡的に遺された雪の緑の運河エルムゾーン。
その真に公共的な空間を、やがて来る新幹線の東西の直線に対峙する
ように、有機的な南北に広がる泉池の森を歩いた。
現代のアフンルパル・まいまいず井戸のようなブラックマントラの螺旋を起点
にして縄文遺跡の静謐な何もない小さな野原まで。
約4時間の不思議な歩行。
慣れぬ雪道に吉増剛造さんの慎重な足配りが、目に浮かぶ。
そして遺跡公園近くに立っていた枯れた大優婆百合に、短く声を上げた。
19年前界川の源流の小さな谷に咲く秋の大優婆百合を見ていたからだ。
 
 宇宙の木階(キザハシ)を、静かに下りて行く、
                            (大優婆百合を揺らしている獣達・・)

その記憶を甦らして、声を上げていた。
歩行の後の濃密な対話と活舌の展開。
そして一時の休憩時、前日食した甘いマロングラッセを所望された。
あれは、脳の猛烈な消耗が欲した自然な欲求だ。
非公開の対話と話と映像のパフォーマンス。
その一日の十数人だけの集まりに多分「石狩河口/座ル ふたたび」の
17年が凝縮して、脳力は全力投球だったのだろう。
この一日が今回の個展のコアとなって記憶に残っている。
同行した7人の友人たち。
そして何処からとも無く聞きつけて集まった夕刻のパフォーマンスの参加者。
それぞれの脳裏に刻まれたこの稀有な時間が、長い今回の展示の芯ともな
って、今甦るのである。
吉増剛造は床に敷いた銅板を正座してハンマーで叩き、語り続けた。
あれはもう男の巫女のようだった。
そして何度も私にも他者にも宣言していた。
来年もここで個展をする。
垂直映像展覧会だ。
そう、今度は銅板ではなく映像の劇場、CINEGOZOシアターである。
狭い小さなこの小屋で、どうその思いを受け止め得るのか。
それが私に課された次なる課題である。
余位さん、ふたりでこの仕事を石田尚志さんも交えて創ってゆきましょう。
遠く一日燃えて飛んできた鈴木余位さんへ、来年のエールです。
燃えて、この年の最後をあと二日送り出してゆく。

*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月31日(土)まで。
*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-12-29 12:34 | Comments(0)


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