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テンポラリー通信

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2011年 12月 27日

赤い銅板小屋ー烈々布(32)

真っ赤な心が一直線に届いたような余位くんの訪問から一日が過ぎ、
世界は一気に真っ白な年末の風景となる。
疲れが出たのか、詰めた歯が欠けて休廊日の昨日は歯医者さん。
即欠けた歯を見事に修復してくれた腕の良いS医師。
円山北町時代から続く気心の知れた先生である。
S医師は網走出身で、今網走で漁師をしている画家の佐々木恒雄さん
と同郷だった。
治療終了後佐々木さんの話、網走の話をする。
今年3月の佐々木恒雄展に来てくれて、作品を見ているのだ。
それからH内科にも顔を出して、定期診察を受ける。
血圧安定、塩分を控えめに、腎臓に要注意。
外はドカ雪、吹雪で街は真っ白。
動くものは黒い翳の世界。

白と黒の世界が今日も続く。
しかしここは燃えているなあ。
燃え上がる銅板小屋。
赤銅色が雪の反射に映えて、赤くぎらっ、ぎらつ。
鈴木余位くんの真っ直ぐな赤い心が、映っているようだ。
遠い昔。同じ多摩美大に入学し上京したAが、小汚い私の下宿に
真っ直ぐ訪ねて来てくれた。
真っ赤なブレザーを着たその華やかなAを想い出す。
2年前鈴木余位くんにそんな昔話を、目黒でしたのだ。
燃える赤い心を、受け止めきれなかったその時の自分。
Aの心が余位くんに乗り移ったかのように遠い時間を経て、
赤い心が一直線に来たような気がする。
勿論、動機も状況も年齢も性別も何もかも違うのだけれど。
私にはどうしても赤い、燃え上がる心の炎が今見える。
吉増さんの銅板の燃え上がる炎の所為だろうか・・。
白く凍った世界が広がれば広がるほど、その正反対の燃え上がる
赤い炎の世界が、この小さな小屋の中には充ちている。
非常に個人的な独白のように、白く閉じた翳の世界で赤を見詰めている。
あと数日の<石狩河口/座ル ふたたび>展。
燃えるような赤い炎の、<・・・ふたたび>である。

*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月31日(土)まで。
 am11時ーpm7時。
*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1ー8斜め通り西向
 tel/fax-11-737-5503

by kakiten | 2011-12-27 13:51 | Comments(0)


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