テンポラリー通信

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2011年 12月 16日

師走の師ー烈々布(24)

会場に入ってすぐ右の奥まった角に故若林奮氏を追悼する展示がある。
1999・5・16と刻印された鉛の胡桃の葉の彫刻。
I・Wの署名刻印がある。
その作品の下地に、今回の展覧会に添えられた吉増さんの朱筆の文面を
配し額装した。その文面の書き出しは、こうである。
<師走の奇跡の展示に向けて、I・W師の長巻4本の・・・>と書かれている。
その文面の上にそっと鉛の若林さんの作品を載せたのである。
そしてその額の上部には、今回の個展タイトルの直筆文字「石狩河口/座ル
ふたたび」を、さらに若林さんの作品額の下には、吉増さんの銅葉「緑の森の
一角獣座」の札幌旧鬼窪邸跡地草叢に置かれた写真を配した。
晩年若林奮さんは奥多摩の日の出の森ゴミ処理場反対運動をしていた。
そのトラスト運動の場所の象徴だった名前が、この「緑の森の一角獣座」で
ある。その命名は吉増さんが付けたものだ。
これは吉増さんに銅板を提供し続けたふたりの友情の証でもあるが、同時に
この銅版は日の出の森ゴミ処理場反対運動の象徴でもあるのだ。
17年前銅葉すべてを旧テンポラリースペースに展示した「百葉・界川・宇宙函」
展をした時、吉増さんと最初に仕事を共にした「’89界川游行」のひとつの重要
な場となった旧鬼窪邸が取り壊され、その跡地がバブル後の不況で更地のまま
になっていた事があった。
そこにはいつのまにか見事な草叢が出現して、野の花が咲き乱れ花園のように
なっていた。
その鬼窪邸跡地にその時そっとこの「緑の森の一角獣座」の銅葉を置いて撮影し
た写真を、今回故若林奮さんの作品の下に配したのである。
そしてその手前には譜面台を置き、その上に若林奮の作品図版本と吉増さん
のGOZOCINE・DVD本「キセキ」を並べた。
これが今回のこの展覧会場における、若林奮氏追悼の想いのコーナーである。
先ずは最初に、このコ―ナーを吉増さんには見て頂きたいと思っている。
この一角は、私の出来得る限りの、故人への階(キザハシ)の座と思っている
からだ。

*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月31日(土)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-12-16 12:48 | Comments(0)


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