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テンポラリー通信

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2011年 12月 15日

階(きざはし)の刻ー烈々布(23)

一日に何度か吹き抜けの梯子を昇り降りしている。
すると時々ふっと、「石狩シーツ」の一節が頭を横切る。

 宇宙の木階(キザハシ)を、静かに下りて行く、
                            (大優婆百合を揺らしている獣達・・)

梯子・木階・キザハシ。
そうだなあ、
1991年から20年の時の木階(キザハシ)を日々昇降しているような気がしてくる。
2階吹き抜け回廊に展示した1994年「石狩シーツ」草稿直筆7点。
その周りには原稿の詩行と同じ文字を打刻した銅葉の2L写真16葉。
そして1991年の写真展「アフンルパルへ」の写真5葉と大判写真「figura」1点。
さらに「石狩シーツ」朗読CD発売記念大判ポスターが並んでいる。
ここを突き抜けるように真中の吹き抜けには、478cm×36・5cmの銅板長尺が
下から立ち上がっている。
吹き抜けの下階と上階の間の欄間の位置には、他の長尺3巻の銅板がぐるりと
巻きつくように会場を囲んでいる。
それはあたかも龍がとぐろを巻き、昇天するように光の中を漂っているのだ。
この銅版の龍の皮膚には、その時々折々の日付と場所が刻印され、打刻され
た文字が、鱗のように浮き上がっている。
その文字はその場で触発された吉増剛造の詩行である。
そしてその強烈な打刻は、時として銅板を撃ち抜き、微かな光をその亀裂から
洩れさせている。
私は一日の何度か、この昇竜する銅板に沿うように木の梯子を昇降する
経験をもつ。
そしてその度にふっと浮かぶのが、この<木階(キザハシ)>という美しい
音階である。
時のエッジを、時の際(きわ)を、時の界(さかい)を歩行している。
1991年から2011年の20年の時空の径庭を、日々昇降している。
そして縦構造のこの小さな空間に、時空の充溢が流れていると感じるのだ。
個展の主(あるじ)は、この空間に降り立ち、如何なる声を発するか。
今からその瞬間が楽しみである。

*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月31日(土)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-12-15 12:59 | Comments(0)


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