日曜日朝、開廊前雪掻きしていると教育大のSくんが来た。
それから閉廊時間まで切れ目なく人が来て話し込む。
最後は沖縄・奄美大島帰りの中川潤さん、有山睦さん、酒井博史くんが
雪のように降り積もって、一日が過ぎた。
外には雪、内には人、深々と降っていた日。
昨日月曜の休廊日。
川の同志河田雅文さんと雪のエルムゾーンを歩いた。
サクシコトニ川沿いの遺跡公園まで、大通り公園のイサム・ノグチ作品
からの行程である。
吉増剛造さん来廊時の案内ルートの再確認だった。
黒い裸木と白い道。
雪の梱包は、世界をシンプルにクリスト化する。
縄文遺跡の微かな痕跡は、繁ったもののない白い凹み。
静謐な白い翳の空間に満ちている原初の気配。
そこからテンポラリースペースまでの新たな道も見つけて、
発見の多い一日だった。
緑の運河エルムゾーンは、雪と裸木のモノクロームな世界となり、
より構造的にその姿を顕している。
吉増剛造「石狩河口/座ル ふたたび」の新たな回路となればいい。
枯れた大優婆百合が、雪原の風に揺れていた。
宇宙の木階を、静かに下りて行く、
(大優婆百合を揺らして居る獣達・・・)
-吉増剛造「石狩シーツ」ー
今日、東京の若手映像作家鈴木余位さんから、DVDが届く。
今年9月10日の東京都現代美術館吉増剛造×石田尚志競演「CINE
オペラシオン」の映像記録である。
鈴木余位さん撮影の、吉増さんが白眉と評した映像である。
鈴木さんとは一昨年暮れ東京・目黒で石田さんの紹介で初めてお会いした。
目黒美術館「’文化’資源としての<炭鉱>展」の吉増剛造講座の後の打ち
上げの席である。私はその時久し振りの東京で非常にハイテンシヨンだった。
それ以来一度もお会いしていないのだが、彼とは不思議と心の交流が続いて、
今回のDVDの寄贈の縁ともなった。
同封のお手紙は熱く、あの一度の出会いが今も深く続いている事が感じられる。
そして、以前から見たかった亀井文夫の貴重な映像が2本入っていた。
なんと感謝して良いか分からない。
先日の石田さんからの便りでは、いつもふたりはいずれ北へと話していると
言う。ふたりの来道に先駆けるように届いたこの映像には、・・・吉増さん、
ここにもなんという熱い<ふたたび>が、こもっている事でしょうか。
*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月31日(土)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503