今回の活字印刷・凸版制作した案内葉書の評判が良い。
吉増さんの筆跡をそのまま活かしたDMである。
本人からも20枚追加の連絡があった。
福岡の彫刻家阿部守さんからも、お褒めの言葉を貰った。
東京の大久保さんは、ブログにその写真を載せてくれた。
活字印刷のもつ印字の風合いが、吉増さんの独特の文字を活かしている。
文字だけで、他は何もないシンプルな造りである。
一枚一枚手でプレスしてくれたという。
日章堂印房さんと河田雅文さんの手と目が仕上げてくれた労作なのだ。
東京・映像作家の石田尚志さんからメールが来る。
来年に向けて、新たな北上陸の予告である。
先日東京都現代美術館で、吉増さんとコラボレーシヨンしたばかりの
石田さんの、吉増さんに続く北上陸の予感を感じさせる文だ。
ふたりのコラボレーシヨンの様子は今、鈴木余位さんの手で映像化され
DVDに製作中という。
このふたりのコラボレーシヨンは、白眉の出来事だったと聞く。
ふたりの長い交流が、ひとつの結晶を見せた時間だったと想像する。
吉増さんからも石田さんからも、その熱い反応が届いてDVDが届くのが
待ち遠しい。
人の触角とは何なのだろうか。
遠く離れて見えるもがある。
今回の大震災・原発事故でもそうした状況があったように思う。
普段身近にあって忘れそうなものたちが、すべて喪失して初めて非常に大切
なものとして立ち顕れる。
例えば一枚の家族写真のように。
異国を旅して遠く離れた故郷を見詰めるように、遠く離れて一番身近な内側
の自分を見る。
そんな随分とややこしい、遠回りな事をして人間は生きている。
会場に流れる吉増さんの「石狩シーツ」の朗読には、そうした場所の異化と
同化そのものが注入され漂っている。
望来/モーライ、知津狩/石狩、丘珠、って何、フッサ、フッサ、福生・・・
*吉増剛造展「石狩河口/座ル ふたたび」-12月1日(木)-31日(土)
am11時ーpm7時:月曜定休
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503