来るぞ来るぞと遅れて、今晩から雪が舞うらしい。
観測史上記録的な遅さという。
今朝もまだ路面は乾いて、枯葉が舞っている。
吹く風は冷たいが、陽射しは明るい。
くぐもった灰色の空気に、埋もれ火のように晩秋の太陽がある。
rep:れプー沖:岸から遠い海面・川岸から見て川の中央に近い部分・
炉ぶちから見て炉の中心に近い部分。
(知里真志保「地名アイヌ語小辞典」)
吉増剛造展前期「’94石狩河口/坐ル 石狩シーツ誕生」の始まりに
相応しい烈々布(れプ)な日である。
これから12月1日に始る「石狩河口/坐ル ふたたび」展までの前章。
プレとしての17年前の資料展である。
3番目の<炉ふちから見て炉の中心に近い部分>を意味するrepから
始る展覧会と思える。
炉の中心には、埋もれ火が熾き火のように燃えていて冬日のようにある。
そこから見えない川筋を辿るように、<川岸から見て川の中心に近い部分>
へと歩を進め、<沖:岸から遠い海面>へ。
その道程がこの展覧会の趣旨である。
rep:れプ:烈々布ー石狩シーツ。
丘珠地方に残るrepの音韻の余波は、漢字で烈々布の当て字となって
古地図に載っている。
東北部の石狩の海に近付く川の巣のような地域に烈々布。
布ですよ、吉増さん。シーツ、シーツ。
そこで見た川面は逆流して陸へと駆け上がっていた。
海は陸へと押し寄せ、川は海へと流れている。
そのふたつの流れのぶつかる処、沖水・興火。
過去と現在、ふたつの流れる時間のぶつかる処・れプ・
<石狩河口/坐ル ふたたび>。
<ふたたび>とは、その<れプ・烈々布・シーツ>。
現在という炉縁から時の灰に埋もれた火の中心を見詰めて、
「’94石狩河口/坐る 石狩シーツ誕生」展が始る。
*吉増剛造展前期「’94石狩河口/坐ル 石狩シーツ誕生」
11月15日(火)-27日(日)am11時ーpm7時・月曜定休。
*吉増剛造展後期「石狩河口/坐ル ふたたび」
12月1日(木)-31日(土)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503