人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2011年 11月 11日

裸木の空へー秋冷秋水(22)

来週からの天気予報は、雪のマークが続く。
秋晴れも今日までか・・。
そんな朝、嬉しい便りがパソコンの扉を叩いていた。
ニューヨークから、東京から、札幌から。
来週から年末まで、一気に突っ走る吉増剛造展への勢いとなる。
「石狩河口/坐ル ふたたび」。
この<ふたたび>は、二度とない<ふたたび>である。
軽く最初は”里帰り展”というひと言から始った事だが、そのひと言を発する
ビットウイーン・界(さかい)には、時の深まる落葉が厚く重なっている。
いつかきっともう裸木のようになって、私たちはひとつの季節の道程の境
(エッジ)に立っているに違いない。
あの「石狩・みちゆき・大野一雄」の石狩河口公演から、大野先生は幻の
カムチャッカへ、吉増さんは夕張の坑口深く女坑夫さん・織姫の奥多摩へ、
不肖なる私は円山北町からエルムゾーン・緑の運河、再びの札幌へと、
歩き深めてきた気がする。
世代も時代も社会的存在も比較しようのない人たちと、同じレベルで語る事
自体が不遜だが、経験の深みにおいてそれぞれの<石狩河口/坐ル>は
存在したと思えるのである。
大野先生はもうこの世にはいないが、にもかかわらず今回の<ふたたび>
の根底には、深く深くその存在が潜んで<みちゆき>の道程を刻んでいる。
その<みちゆき>の道程に、新たな友人たちも加わって、<ふたたび>が
始る予感がするのだ。
その予感のノックが今朝の便りである。

17年のビットウイーンを経て、裸木のように空へ伸ばした枝先・梢。
その足下に降り積もった落葉の腐葉土の上に若い芽が触れている。
大野先生、吉増さん。
<ふたたび>とはそうしたもう一度の<石狩・みちゆき>の道程では
ないのでしょうか。

*吉増剛造展前期「1994石狩河口/坐ル 石狩シーツ誕生」
 11月15日(火)-27日(日)am11時ーpm7時・月曜定休。
*吉増剛造展後期「石狩河口/坐ル ふたたび」-12月1日(木)-31日(土)

 テンポラリースペース札幌北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-11-11 12:33 | Comments(0)


<< 1994年「石狩シーツ」誕生展...      somethin’elseー秋... >>