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テンポラリー通信

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2011年 11月 02日

iwaという<山>ー秋冷秋水(15)

晴天が続き、紅葉した葉も反ってきた。
枯葉が道を埋め、音を立てている。
森の梢も葉が落ちて、路の上の空も明るくなった。
時折り風が通り過ぎて、枯葉が視界を斜めに横切っていく。
競馬場の長い壁も、枯れた蔦の赤茶色の緞帳。
二匹の蜻蛉が繋がって飛んでいた日、雪虫を初めて見た日。
今は乾いた落葉の音が道を埋めている。
やがて道は白くなり、自転車も駐輪場の片隅に眠る時が来る。

エルムゾーンの資料を整え東京・吉増剛造氏に送る。
さらに明年2月の阿部守×高臣大介展の為某所使用申請書を整える。
ともに札幌・石狩の地に根ざす回路を保つ仕事・志事。
私は私の志の流儀で、この場に触れ続けてゆく。
流儀とは生き方であり、世界と関わる回路であり、歩き深める道である。
その深まる行程に内から解き放つ心の種子がある。
そう信じて、一点深く樹のように生きる。
飛んだ心の種子が奥多摩の森に触れ、福岡の鉄に触れる。
トランス・ペアレント、そうだ、大介さんのガラスのように
光を溜めて透明になる。

iwaーイわ 岩山:山。-この語は今はただ山の意に用いるが、もとは祖先の
    祭場のある神聖な山を指したらしい。語源はkamuiーiwakーi(神・住む
    ・所)の省略形か。         (知里真志保「地名アイヌ語小辞典」)

山も生物であったと知里真志保は解く。
nupuriの(山)とkimの(里山)、そして神聖なiwaの(山)。
生きる事にもいろんな山があるけれど、今はiwaのような何かが凝縮する
濃い山の時期かも知れない。

鎮魂・エルムの森。
石狩河口/坐ル ふたたび・・。

この年末年始に向かう。

森本さん、恵庭(e・en・iwa)も、神の山(iwa)ですね。

*森本めぐみ展「ものもつ子のこと」-11月8日(火)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011ー737-5503
    

by kakiten | 2011-11-02 13:14 | Comments(0)


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