晴天が続き、紅葉した葉も反ってきた。
枯葉が道を埋め、音を立てている。
森の梢も葉が落ちて、路の上の空も明るくなった。
時折り風が通り過ぎて、枯葉が視界を斜めに横切っていく。
競馬場の長い壁も、枯れた蔦の赤茶色の緞帳。
二匹の蜻蛉が繋がって飛んでいた日、雪虫を初めて見た日。
今は乾いた落葉の音が道を埋めている。
やがて道は白くなり、自転車も駐輪場の片隅に眠る時が来る。
エルムゾーンの資料を整え東京・吉増剛造氏に送る。
さらに明年2月の阿部守×高臣大介展の為某所使用申請書を整える。
ともに札幌・石狩の地に根ざす回路を保つ仕事・志事。
私は私の志の流儀で、この場に触れ続けてゆく。
流儀とは生き方であり、世界と関わる回路であり、歩き深める道である。
その深まる行程に内から解き放つ心の種子がある。
そう信じて、一点深く樹のように生きる。
飛んだ心の種子が奥多摩の森に触れ、福岡の鉄に触れる。
トランス・ペアレント、そうだ、大介さんのガラスのように
光を溜めて透明になる。
iwaーイわ 岩山:山。-この語は今はただ山の意に用いるが、もとは祖先の
祭場のある神聖な山を指したらしい。語源はkamuiーiwakーi(神・住む
・所)の省略形か。 (知里真志保「地名アイヌ語小辞典」)
山も生物であったと知里真志保は解く。
nupuriの(山)とkimの(里山)、そして神聖なiwaの(山)。
生きる事にもいろんな山があるけれど、今はiwaのような何かが凝縮する
濃い山の時期かも知れない。
鎮魂・エルムの森。
石狩河口/坐ル ふたたび・・。
この年末年始に向かう。
森本さん、恵庭(e・en・iwa)も、神の山(iwa)ですね。
*森本めぐみ展「ものもつ子のこと」-11月8日(火)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011ー737-5503