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2011年 10月 13日

時間という新鮮な糸ー点と線(20)

先日エルムゾーンを散策の時不意に湧き上がった、
今村しずかさん初CDの装丁デザインをドイツの谷口顕一郎さんに
依頼の発想。
その依頼に、谷口さんから快諾のメールが昨日届く。
早速その旨を今村さん、有山さんに伝えた。
出会いの小さな細い糸が織られて、太い糸となり友情の布となってゆく。
その後どんな織物に仕上がっていくのか。
同時にハンブルグのMさんから、界(さかい)を主題とする企画展の推進
の再度の依頼が届く。以前からのお誘いである。
早くドイツに来て欲しいと、コメントがある。
以前私が谷口顕一郎展カタログテキストに書いた論が引き金と思われるが、
今は新たな気持で、前の焼き直しで発想したくはない。
12月に始る吉増剛造展「石狩川に坐ル・ふたたび、・・・」を構築していく中で
それこそ、<ふたたび>新鮮な気持で創りあげていきたく思うのだ。
その吉増さんからfaxが届く。
新詩集「裸のメモ」が、書肆山田から発刊されていたという。
出版社には以前の住所のまま贈呈本の記録があって、その為戻っていた。
そのお詫びと同時に改めて発送したという連絡だった。
吉増さんにはお礼と、今回の展示についての湧き上がる想いを返事にした。
1994年約4ヵ月に渡る石狩河口滞在制作を経て出来上がった名作「石狩
シーツ」。その時の起点は札幌・界川からであった。
17年の歳月を経て、「石狩川に坐ル・ふたたび、・・・」が始る訳だが、
今回の起点を私は、エルムの巨木の記憶から始めたいと思っている。
大野一雄石狩河口公演の会場下見の時の起点は、植物園の泉の記憶
からスタートし石狩河口へと歩を進めたのだが、そのルートに新たにエルム
の森の記憶を重ねて、<ふたたび・・・>石狩へと辿りたく思うのだ。
昨年から運動を重ね続けている「緑の運河エルムゾーン」のルートである。
大野一雄の「石狩・みちゆき・大野一雄」公演とも重なりつつ、吉増剛造の
「石狩シーツ」が新たな章を編み出す切っ掛けともなれば、これも細い糸が
幾重にも織り成され、新しいイシカリという織物が生まれるのである。
<ふたたび・・>というのは、同じ事の反復・復古ではない。
回路を変えた新たな再生であるのだ。
それは時間の糸と人の糸が紡ぎだす、作品という宇宙を包む衣装である。
この時時間差はあたかも時の縦糸横糸のように重なって、新たな縫い口を
縫いこんで新鮮な世界を開いてゆく。

昨日から始った森本めぐみ展もまた、2年の歳月を経て同じ場から新たな
切り口を縫い目に始っている。
この滞在制作もまた、反復・復古では決してない。
同じ場ではあるが、歩き深まる新鮮な回路なのだ。

*森本めぐみ滞在制作展「ものもつ子のこと」-10月12日(水)-30日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*予告・吉増剛造展前期「1994年石狩シーツ誕生」・後期「2011年石狩川に
 坐ル・ふたたび、・・・」。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-10-13 12:58 | Comments(0)


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