テンポラリー通信

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2011年 09月 29日

秋晴れも今日までー点と線(10)

この暖かさも今日までで、週末以降は一転寒い日が続くという。
藤谷康晴さん、今日が搬出日。
個展の会期自体は先週の日曜日で終ったが、本人の希望で今日の
搬出となる。
その間M美術館のOくんに見てもらえて良かった。
特に最終日に持ち込んだ小さな新作は、今回初の展示となった「CELL」
連作12点の系列にあり、その浮遊するもののある着地を感じさせる。
藤谷康晴の世界としては、画期的な芽のような作品と思う。
このような作品が生まれるとは、多分作家自身個展前には思ってもいなか
ったに違いない。
今回の個展をする事で、あるいは個展をしようと決めた事で、「CELL」
12枚の美しい連作が生まれ、その延長線上に小さな芽のような地から
立つ花のような作品が生まれたのである。
この時個展会場は媒介となり、作品の母胎ともなっている。
閉じたBoxの箱ではなく、開くトランスの函となって、作家自身を促がした
と思える。
M美術館のOくんが、音楽を聞くようで大きな元気を貰ったと評したのは
そうした作家の開かれた函・トランスのエネルギーによるものである。
ふたりから数十人まで、個展ではないグループ展覧会が今も開かれている。
中には芸術要塞などという良く分からない主題で、自然の中に数十人も
展示している。
いずれその展示場所春香山については、石狩と後志の境界として見聞後
詳しく評したく思うが、その界(さかい)を「要塞」という閉じた概念で主題化
する事自体に、本来のこの場に対する認識が不足していると感じている。
本来自然の豊かな石狩と後志の界に位置するこの場所で、要塞などという
新たな箱概念を提出して、なにが「アートの拠点」なのか。
美術館という箱を野外に持っていっただけで、そのアウトドアー美術館を
「芸術要塞」などとワイルドにファッション化しているだけではないのか。
ずらりと56人もの作家たちが並んで、<要塞>を作ってどうするの?
要塞とは塞ぐ要でしょ。閉じてどうするの?
たったひとりで開く函・トランスの個展と比べて、多勢で群れて要塞作って
閉じ込んで拠点とは、幼稚過ぎないだろうか。
20世紀少年春香山バージヨンとでもいった方がまだ分り易い。
個々の作家を批評する事は見てからにするが、企画としていえば
これは全くこの場所の地形・地相の結晶を媒介にしないアウトドアー的
美術館の単なる箱移動に過ぎない気がするのである。
こういうグループ展ばがりに大忙しで、個展をないがしろにする作家は
段々政治経済軸に近似した文化団体的存在になる。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
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by kakiten | 2011-09-29 12:30 | Comments(0)


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