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2011年 09月 18日

白旗山散策ー点と線(2)

先日、月寒丘陵の最高部白旗山を歩いた。
有明という前回歩いた水源池ルートとは逆の方からの歩行である。
これであとは真栄ー西山ー山部川分岐点ー月寒川分岐点ー西岡の森
と真中だけを残す事になる。
総距離約20キロ強の内、まだ半分以下である。
この丘陵地帯の最高峰が、321mの白旗山である。
何故白旗山という名なのかは、定かではない。
多分想像するに、昔陸軍の管理下にあったこの一帯の演習に使用された
名残の名前ではないかと思える。
今もこの近くには自衛隊の演習地が広がっている。
こうしたなだらかな丘陵地帯というのは、概して基地やゴルフ場、墓地
自動車工場等の大きな施設で閉められている事が多い。
石狩の当別の丘陵地帯もそうである。
さらに福生のある関東の多摩の丘陵もそうである。
ここには横田基地が広がっていた。
山部とはまた違う、低くなだらかな優しい丘陵地帯は、登山としては
物足りない部分もあるが、谷と川と丘の美しい繋がりは、里山のような
極めて人間社会に近い空間でもある。
この優しさの横溢する空間は、同時に人間社会のエゴが占領し易い空間
ともなる。
その証左が、軍事演習場でありゴルフ場であるだろう。
今回二度目の月寒丘陵探索を通して感じた事は、このなだらかで広大な
森、丘、川、野の豊かさは正に流れる流線のようにあって、決して分断された
ドット(点)としては存在していないという事だ。
ゴルフ場にしろ、演習場にしろ、墓地にしろ、人間社会のドット構造のみが
この豊かな丘陵地帯の有機的な連続性を分断し、ドット(点在)化する。
本来自然の連鎖、線であったものが、ゾーンとして孤立化させ、分断する。
それはある程度まで仕方のない側面があったとしても、大きな原則は
自然の線・流線に沿っていなければ、丘陵の優しい豊かさは破断される事
ともなる。
水源池の傍にひっそりと不動明王の祠が隠れるように在った。
そのお顔は、円山川の不動の滝の不動明王にも似て、厳しさの中にも
穏和な優しい表情であった。
八紘学園のサイロのある丘の風景、農業試験場の森。
これら近代のある領域までは、まだ確かにこの丘陵の自然との共生が
風景としても保たれていた気がする。
しかし空を切り裂くタワー系マンシヨン、札幌ドームの異様な風貌に象徴される
月寒丘陵の現代の風景には、風景のトニカ(基奏低音)に繋がる流線は断たれ
ている。
そして皮肉な事に、現代の破断に繋がる広大なドットゾーン、陸軍演習場のような
存在が逆にこの広大な丘陵地帯の保存に供している。
今はそれらの遺産が、自然歩道として一部整備されているのだ。
この月寒丘陵の東側にさらに連なる野幌丘陵、そしてさらに北側に連なる
馬追丘陵と、札幌の東南部に広がる魅力的なこれら丘陵地帯の優しい豊かさ
を、これからもしばらく探索し歩き深めたい気がしている。
これもまた、風景の中の点(ドット)と線(ライン)の対峙・戦いではありませんか?
藤谷康晴さん!

*藤谷康晴展「覚醒庵~ドローイング伽藍~」-9月13日(火)-25日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-09-18 13:12 | Comments(0)


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