N・YのNさんから9・11を想起させる葉書が届く。
キングコングが、ワールドトレードセンタービルに拳を叩きつけている。
裏には近況報告が記されていた。
美術家のNくんとMさんが同時に朝一番で来る。
それぞれが就職を巡り、美術表現と生活上のギヤップと闘っている
最中である。
M夫人が来て、藤谷さんの今回の作品を高く評価する。
「CELL」と題された12枚の内の一枚を求めたいとの申し出がある。
蝶のように舞い、妖精の舞のようにも見える、今回の新作である。
正面を天井に抜く3mの掛け軸状の作品の背後に輪舞するかのような、
不思議な舞のようにも見える連作である。
夕方珍しく美術家佐佐木方斎さんが来る。
最近は自宅を将棋道場にして、あまり出てくる事が無い。
新作の完成も遅滞している。
このまま趣味の世界に沈んで欲しくは無い人だが・・。
藤谷さんから案内状が届いたから、と言う。
今回の個展の印象を聞こうと思っていたら、教育大2年のSくんが来て、
さらに東京芸大院生の女性が訊ねて来る。
映像作家の大木裕之さんの紹介と言う。
そこに役所勤めのK氏とk・k氏が連れ立ってやって来た。
初日らしく、M夫人からも昼差し入れを頂いたが、ふたりからも頂く。
しかし作家本人は今日も仕事で残念ながら、不在である。
作家在廊日は、15日(木)、21日(水)、25日(日)の3日間である。
今年6月の京都展で一度職を辞し、今は新たな職に就いたばかり。
生活と自己表現の挾間を、彼もまた戦っている。
朝のNくん、Mさんと同じ線上にいる。
私は佐佐木方斎氏に対してもまた、最後の戦線復帰を望むものである。
*藤谷康晴展「覚醒庵~ドローイング伽藍~」-9月13日(火)-25日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503