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テンポラリー通信

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2011年 08月 31日

丘に登ればードットの時代(9)

南東部から新たなさっぽろを再発見した気がする。
主に南西部の山部から北東部の石狩の海にかけてさっぽろを見ていた。
南東部の月寒丘陵、野幌丘陵から札幌を見ることが少なかった。
言い方を変えれば豊平川の向こう側から見る視座が不足していたのである。
川向こうにはまた別の世界がある。
ふたつの丘陵を中心とするなだらかな世界である。
さらにその向こうには、夕張山地に繋がる馬追丘陵も広がる。
この丘の上を中心とする世界は牧畜や酪農に適し、近代農業の発祥地とも
なったと思える。
今ならサッカーのザッケローニ監督のような外国指導者が、この産業を育て
ていく。エドウイン・ダンやケプロンといったお雇い外国人指導者である。
山部とは違う丘陵部の世界。
シティー、タウン、マウンテン、そしてフィールド。
以前月寒生れのKくんが、牧場の野原を一日中駆け回っていたという幼年期
の話をしていたが、この話をフィールドボーイとして聞けば納得できるのだ。
U氏は南西部奥の豊羽鉱山近くで生まれ、子熊と遊んだという。
これはマウンテインボーイの幼年期である。
Sくんは薄野近くで生まれ、裏道中通りに詳しい。
これはいわばタウンボーイの所為である。
駅前通りや、道庁を中心とする街で育った私は、どちらかといえばこれらの
どれにも属さない。
花街にも疎いし、熊にも動物園以外で会っていない。
まして野っ原で一日遊んだ経験もない。
消去法でいけば、シティーボーイという事になる。
同じ小学校の同級生でも、そうした界隈性の相違で感性も違った気がする。
薄野に近い人は、大人びていて読む本も微妙に違ったのである。
何百メートルかの相違で、街の匂いが違う。
まして大きな川の向こうにある豊平や月寒のような丘の多い地形は、別世界
が広がっている。
少年時の微かな記憶は今実際に地形の相違として、緩やかで広い別世界がある
事を再確認させてくれた。

次回展示の藤谷康晴さんが、個展DMを持って来る。
先の京都展の影響か、総括か。
新しいDMは、従来にない図柄で構成されている。
タイトルも新たなフレーズが加えられてきた。
「覚醒庵~ドローイング伽藍~」
「庵」に加えて「伽藍」が出て来た。
ここで2006年7月に最初に催した個展タイトルは、「常温で狂乱」。
札幌一番街の高層ビル群を細密に描き込んだ常温日常を破壊する
狂乱の情念がその後のライブパフォーマンスとして展開された。
今回の「庵」と「伽藍」は、その狂気の鉾を収めるより内なる定点構成と
なると感じられる。

*竹本英樹写真展「意識の素粒子」-9月8日(木)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*藤谷康晴展「覚醒庵~ドローイング伽藍~」
 9月13日(火)-25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-08-31 14:18 | Comments(0)


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