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2011年 08月 30日

月寒丘陵と中島ードットの時代(8)

休廊日ひさしぶりに西岡の水源池公園を歩く。
夏風邪対策も兼ねて歩いたので、無理はしない。
この日も湿度が高めで、すぐ汗が出る。
この辺りの丘陵地帯は、かって山歩きをしていた頃には物足りなかった。
あの頃は格闘技のように、がむしゃらに韋駄天歩きをしていた。
こうして体調を落しゆっくり歩くと、風景の見え方も違う。
大きな池沿いの道は、木々の枝を通して水面の光が反射し輝いている。
西南の山岳地帯とは違う、東南の丘陵地帯独特のリズムがある。
さらに先の山部川合流地点、白旗山、有明と道は続くのだが、この日は
水源池の一周だけにする。
今度は秋か春に早い時間から歩こうと思う。
水面と紅葉、湿原と水芭蕉の春秋の時期がいいと思える。
丘陵の保つゆっくりとした勾配。
この歩行のリズムの良さに、少し目覚めた気がした。
そしてここに来る前、八紘学園内も歩いた。
ここは黒澤明の映画「白痴」のロケ現場中で、唯一今も変わらずその場所を
留めている処である。
一度中を見てみたかったのだ。
大きなサイロがあり、そのひとつは農産物の販売所になっていた。
アスパラとジャムを買い、ソフトクリームを食べる。
園内を一回りして、民と官の空気の相違を北大農場と比較して感じていた。
月寒丘陵の台地に広がる空間と、西の山裾の平野に広がる空間の差異もある。
それから水車町を廻り、途中一緒に行ったHさんが蛇神社を見たいと言うので
豊平川堤防沿いの神社まで案内した。
そこだけがふっと鬱蒼としている一角にその神社が在る。
神社の前に立っていると、横の家から初老の女性が出てきて神社の
扉を開けた。そして聞くとも無くこちらを向き、ここは龍神さまを祀っている、
この建物は本格的な宮大工の造りで、台風にもびくともしなかったと説明
してくれた。
中は意外と小奇麗に普通の室内のようで、蛍光灯の灯りに広々と感じられた。
宮司の奥様だったのだろうか、何度もここを訪ねたが、初めて内部を見る事が
出来た。
裏に立つ銀杏の巨木を見て、あらためてこの地の歴史を感じた。
中の島、中島と続くこの界隈の地名は、この場所が大きな川の中州にあった
事を示唆している。そして水車町という地名もその地形の名残である。
それから幌平橋を渡り、2006年2月私の札幌漂流時に最初に歩き出した
場所・デルタゾーンに向かう。
その頃在った道議会議長公宅地が、今はもう高層マンシヨンになっている。
その横の一度はここに本拠地をと思った倉庫は、カフエのようになっていた。
奥の鴨々川の水門は変わらずあったが、その周りも大分様変わりしている。
鉄道の駅が出来る前までは、この川のあたりが交通の中心でもあったの
だろう。対岸の蛇神社こちら側の道議会議長公宅、さらには護国神社と
この中島公園、中の島界隈には、明治初期の道庁界隈と対応するような
もうひとつの中心地の匂いがある。
今は高層マンシヨンに埋もれたかに見えるもうひとつの札幌の顔である。
そして八紘学園を中心とする月寒台地。
それは札幌ドームを中心とする今とはまた違う有機的な札幌の原風景がある。

*竹本英樹写真展「意識の素粒子」-9月8日(木)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*藤谷康晴展「覚醒庵~ドローイング伽藍~」ー9月13日(火)-25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-08-30 13:03 | Comments(0)


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