不意に落ち込む。もう少しまで来ているが自分の非力を痛感する。再び漂流か。
敢えて<燃える街角>を旗印に立てる。どこか自滅願望も芽生える。金の無い
のは罪か。公と私で攻め立てられる。無い事が甘えを生む。それが罪だ。そう実
感する。でも甘えが目的ではない。でも現実はそう断罪する。初めてだなこんな
こと。静かに目を閉じる。心の芯に近づく。ふっと浮かんだ懐かしい原点。<燃え
る街角>。灰塵に帰す燃えるなのか、天に向かって燃える志なのか。かってその
ふたつの意味を込めた。祖父の着いた札幌は明治24年の大火の時。私の帰郷
した札幌は経済の大火の時。ともに街が焼け、街が変わった。本当の火と経済
の火と。灰塵のそこへ入っていく、そこからまた街角を創る。それが<燃える>の
ふたつの意味。ず~っとそれが心の芯に在った。祖父と私、札幌とさっぽろ、出郷
と帰郷。ふたつの時代の違いを繋ぐ時空間に私のさっぽろ、燃える空間があった。
今はもう、祖父はさらに遠く、出郷も無く、帰郷もない。ただ退去があるだけ。