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テンポラリー通信

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2011年 05月 18日

不思議な偶然ー燃える春楡(13)

早速ベーマー会とドイツからふたつの原稿の反応がある。
そして気付いた。
なんと、遠く離れているはずのふたつの宛先が非常に近いという事だ。
明治5年(1872年)アメリカから日本に来たお雇い外国人ルイス・ベーマー
は、明治7年5月に北海道へ入っている。
そして同年7月札幌に入り、リンゴの苗木を配布し、8月に沙流郡で野生の
ホップを発見している。
そうした年譜を見ていてベーマーの誕生を見ていたら、
なんとドイツ生まれではないか。
1843年5月30日ドイツ北部ハンブルグ近郷、リューネブルクの誕生とある。
私がドイツに送った原稿は、華道家の舞踏パフォーマンスとその記録写真展の
為のテキストである。
その画廊の場所は、ハンブルグにある。
ベーマー会の文章は、ホーレス・ケプロンとともに来日したルイス・ベーマーの
功績を研究しているベーマー会誌に書いた文章である。
これらは集中力不足で、〆切りギリギリに何とか書いて送信したのだが、昨日
ほぼ同時に反応があったのだ。
ベーマー会の方は書き込み不足で、さらなる推敲を要しベーマー会の上野氏に
今一度の時間を頂いた。
そしてそのすぐ後にハンブルグから電話があり、送った原稿の感想を聞いたのだ。

ベーマーは24歳で、ドイツからアメリカへ渡り帰化している。
そして29歳で来日し31歳に北海道へ来ている。
この年齢は、私が「風・夢の系譜試論」としてベーマー会に書いた文に引用した
美術評論家なかがわ・つかさが東京から札幌に移住した年齢24歳と重なる。
約90年の歳月を隔てて、ふたりの若者はある日決定的な移住を決断し、その後
北海道・札幌を舞台に活動する。
私の拙い札幌からの原稿が、今ベーマーの故郷近くを往復している偶然に、
ふと不思議な因縁めいたものを感じていた。
しかも今はベーマーの生まれた5月である。
ドイツへ送った「花心伝心」。ベーマー会に書いた「風・夢の系譜試論」。
これらはふたつの国を往還し、この北の国の<the republic of dreams>
を往還しているのかも知れない。
そんな気がした。
集中力を高め、ベーマーの生誕日5月30日まで、推敲は続く。

*鉄・インスタレーシヨン 阿部守展ー5月20日(金)-6月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-05-18 13:57 | Comments(2)
Commented by kEnji okAbe at 2011-05-22 22:08
そういえば僕の父親も5月30日生まれでした。
余談ですが1週間後が命日。
5月から6月の境目は、僕にとって魂の渡る時期です。

http://twitter.com/b_sth
Commented by テンポラリー at 2011-05-24 10:06
kenji okabeさま>そうか、不思議だね、5月繋がりで。
余談の方も余命幾許も無い私としては、身に沁みます。
まあ。今のとこピカピカオジンですがね・・。ふつ、


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