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2011年 04月 28日
19歳の青年の文章に触発されて、再び熱い気力が湧き起こる。 昨年夏から声を出してきた、「緑の運河・エルムゾーンを守ろう!」の志が ともすれば萎えそうになっていた事に気づく。 最近は山田航さんの「出会えなかった友の話」(東京新聞4・13夕刊)や、 瀬戸くんの「人間とジャズ」(JJ誌掲載)、有山さんの小学校6年生のお嬢さん のピアノソロ演奏と若い人たちの素直で直截なメッセージに励まされている。 そんな日に、ヨーロッパから先日依頼のあった写真家と華道家の資料が送られ てくる。華道パーフォーマンスともいうべき舞踏と生け花の合体した舞台とその 記録を撮影した写真家の展示である。 舞踏は大野一雄・慶人さんの影響があり、華道は中川幸夫の影響を受けた という。 そんな流れがあって、私に何か書けという依頼であった。 チャリテイー以外に何かを発信したいというヨーロッパでの日本の動きである。 その依頼メールの後、九州福岡の美術家阿部守さんから電話がある。 次回5月に始る個展の打ち合わせで、床に6cmの穴を開けても良いか、 という要望だった。 鉄の造形作家である阿部さんは、床から柱のように作品を立てる積りらしい。 この間壁・床と本当に改造・補強が続いてきた。 空間の進化といえば聞こえが良いが、要するに皆さん好きなように空間を いじって会場を創っていく。 まあそれはそれで仕方がない事である。 年に一回ほぼ毎年、大きな鉄の優れた作品を九州から運び込み展示を 続ける阿部守さんの熱い思いには、応えなければならない。 昨年も5月の展示で、その圧倒的な鉄の作品の存在感が、「緑の運河・ エルムゾーン」に火を点けたのだ。 この作品に一目惚れした清華亭の関係者は、清華亭庭のエルムの大木を この作品から連想し、このことが切っ掛けとなって植物園ー伊藤邸ー清華亭 ー偕楽園緑地ー北大構内という札幌にとって掛け替えのないエルムゾーンが 目覚めたからである。 街に込めた札幌の夢の系譜が、このゾーンには活きていたからである。 その後このゾーンを流れているサクシコトニ川源泉のある伊藤邸高層化の話 が報道され、その事をひとり個人や一企業の問題としてではなく、この街の 風景資産として捉え、高層ビル化反対の署名活移動を行なってきたのだ。 この話を聞き写真家のアキタヒデキ氏は、このゾーンに立つエルムの大木を 写真化し、その写真作品のハルニレ・エルムは、燃え立つ火焔樹のように 真っ赤なエルムとして表現してくれたのだ。 この作品は私にかってのある事実を想起させてくれた。 それは小樽運河埋め立てに反対し続けたある小樽人が遺した絵画である。 反対運動の先頭に立っていたその人は、当時の埋め立て推進派の圧力に より、反対運動から撤退を余儀なくされ、その後半身不随になってなお右手に 絵筆を固定し描き遺した絵画が、真っ赤な運河の絵だったという事実である。 この話は後年奥様の回想記として記されている。 アキタヒデキのエルムの写真も、みな真っ赤に燃えた色彩で撮られている。 この作品を見た時私は、この小樽の人の街への思いと重ねてこの赤を感じて いたのだ。 小樽運河は当初の全面保存は成立せず、結局半分だけの保存となって 今日に至るのだが、この小樽人の思いは小樽という街への思い、夢の形 として今もなおこの街を支え続けている。 そこに暮らす人々の街に込めた夢とは何か。 その夢の形は場所によってそれぞれの形がある。 小樽には運河という形があり、札幌にはエルムゾーンという緑の運河がある。 小樽運河の周りに大きな倉庫群があるように、緑の運河の周りにも美しい 近代建築物がある。 そのひとつが清華亭であり、植物園・北大構内に遺る近代建築群である。 そのゾーンを縫う清流、エルムの森の記憶とともに、この一帯は掛け替えの ないサッポロ原風景なのである。 真っ赤に燃える火焔樹、エルム・ハルニレの写真は、その事を想い起させ てくれたのだ。 緑の運河・エルムゾーンを守ろう!と再び声を大きくあげなければならぬ。 *「記憶と現在ーそのⅢ」展ー5月1日(日)まで。 am11時ーpm7時。 *今村しずか×有山睦ライブー5月5日(木)午後5時~ *及川恒平フォークライブ「まだあたたかい悲しみー其のⅢ」 5月8日(日) 午後4時~予約2500円当日3000円 *阿部守展ー5月20日(火)ー6月5日(日) *斎藤周展ー6月10日(金)-19日(日) テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向 tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2011-04-28 14:17
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