テンポラリー通信

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2011年 03月 03日

白いライオンのようにーland・fall(10)

朝外へ出ると、一瞬輝く純白の闇。
柔らかな雪丘が幾つも盛り上がり、白く輝いている。
<3月はライオンのように来て、子羊のように去ってゆく>
と、西洋の諺にあるという。
今日は白いライオンの3月だ。
地下鉄に乗り北18条駅で地上に上がると、雪の色が違う。
西南の山に近いほうが雪が透明である。
テンポラリーに近付くと、除雪機の音が響いている。
隣のテーラーさんが除雪をしている。
軽く挨拶を交わし中に入る。
光が綺麗だ。廊内は白い光に満ちている。
照明の光は赤を濃くするけれど、自然光は平等に色彩を包む。
佐々木さんの絵、オホーツク海の青碧が冴えている。
ライブハウスの室内の絵は、オレンジと黒に沈んで濃い。
朝の白い透明な空気と地下鉄をふと思い出していた。
landとtown。
佐々木さんは故郷網走をランドとして再発見し、
札幌をタウンとして再発見し見詰めている。
それがふたつの絵に色彩の違いと絵の構図に出ている。
どこまでも突き抜けるような海と陸。その透明感。
一方室内に組み込まれた人・物。密集する凝縮感。
昨夜から降り積もった雪は、都会の沈むランドを顕在化する。
地下街、地下鉄、ビル街のタウンの向こうに沈むランド。
このふたつの空間を佐々木恒雄は今真摯に生きている。
故郷網走をランドとして内に取り戻し、絵画としてどう定着するか。
これから最終日までの4日間。
彼の中のタウンとランドの葛藤はまだ続く。
このふたつの空間のせめぎ合いこそ、我々の同時代の真摯な闘いと
思えるのだ。

*佐々木恒雄展ー3月6日(日)まで。
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-03-03 12:18 | Comments(0)


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