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テンポラリー通信

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2011年 02月 10日

春光のような・・-螺旋する時間(15)

ぷつりと張っていたものが切れたのか、
一日自宅にドボ~ン。
顔も洗わず、歯も磨かず、服も着替えず・・・。
従ってハミガキブログも更新せず、
お餅とパンを食べて夜やっとタバコと牛乳を買いに
パジャマに背広を羽織って出かける。
今朝は髭剃りの刃を替え、無精髭を剃る。
外は春の気配。陽光が眩しい。
路面も一部融けて黒い氷が滑りそう。
湿布をしないで一日過ぎたら、まだ踝が痛む。
完全には治っていないらしい捻挫。
一昨日送った尾道の野上裕之さんへのレターパック、
届いたとのメールが来ている。
会場写真、芳名録のコピー、売り上げ報告等の返事である。
今回の個展の感想が初々しく嬉しい。
文中に<果実のような・・>という言葉が綴られていた。
写真・芳名録・売上の事である。
作品に託した想いの結果の事である。
個展が終って時間が経って、その結実したものを今しみじみと
噛み締めている。
そこになにかひとつ転位したなあと、尾道からの便りに感じていた。
野上、高臣展とそれぞれがひとつの転位を見せて、
昨年から今年の出発は始ったのだ。
作品にそれぞれが結晶した意思は、間違いもなく次へと転位する
純粋な時間である。
ふたりのそれぞれの今回の総括を今改めて読みながら、終った後も
続いている地熱のようなものを感じて、こちらも奮い立たせられる確かな
手応えを感じているのだった。
たまには、こうした反芻する時間も大切な事である。
昨年から予定したW氏の展覧会が中止となり、次回佐々木恒雄展まで
空いたのも何かの恩寵なのかも知れない。
尾道の船大工の仕事の合間を縫って、短い帰省の中の野上裕之展。
洞爺から一週間、札幌ホテル住まいの高臣大介展。
それぞれがこの個展に賭けた気持は、個別な全力投球である。
その想いに応えて、こちらも場として全力で受け止め応えた。
思えば毎回の個展がそんな事の連続で、ピッチャーは変わっても受け止める方は
いつもひとりで、球を返しているのだ。
その往還の磁場が絶える事無く続ける事が私の使命でもある。
その磁場の連続性に、さっぽろという個別な場が自立して、
小さなしかし確かな拠点として浮き彫りになる事を信じている。
絶え間なく畑を耕すように、カルチベート(自耕する)事。
そこから自立する芽が立ち上がり、世界に広がる事。
そして今朝の春の光のように、季節を繋ぐ事。
ふたりの作品を通した濃い時間の後の新たな転位の便りが、
なによりもそうしたインスパイヤーの火を私に灯してくれたのである。

*佐々木恒雄展ー2月22日(火)-3月6日(日)。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-02-10 13:32 | Comments(0)


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