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2011年 02月 03日

黒曜石ー螺旋する時間(10)

会期中になんとか黒曜石を見たいと思っている。
溶岩のマグマが急冷して固まったガラス質の火山岩。
時に赤褐色、黒色、暗灰色という。
先史時代には祭祀や道具に使われて、当時のレアメタルと思える。
風景にも地相が結晶する場所がある。
まして土の中のあるものは、こうした鉱石として結晶する。
結晶とは何か。
人間は音や色彩、言葉を結晶する。
それをもし芸術というのなら、いろんな形で人は結晶作用を営んでいる。
愛もまたスタンダールの「恋愛論」では、恋を結晶作用と呼んでいる。
何の変哲もない枯れ枝が、ザルツブルグの廃坑の中で冷気によって
キラキラと結晶する事を例えにしている。
高臣大介さんが漏斗状の透明な氷柱のような作品に雪を入れ、
翌朝凍って溶けて光を溜め込んでいる様を、「雪調(ゆきしらべ)」として
見せた時、従来の花を入れたり水を入れたりした展示から、今回さらに
一歩踏み込んだ作品展示となっている。
今回そうした新たな展開の中で、是非とも見せたいと思っていたのが
この黒曜石の本物である。
これはガラスの原型ではないか。
最近十勝石(黒曜石)の産地が、ジオパークに認定されたと聞く。
千葉から移住して9年。
ガラスの自然の産地に近付いて同じ北海道にいるのである。
こいつは是非とも高臣さんに見てもらいたいと思い、宇田川洋さん、
岡部亮さんに連絡する。
彼らは本物の黒曜石を持っているのだ。
岡部さんは祭祀や矢じりの黒曜石を、宇田川さんは原石を持っている。
私は岡部さんに矢じりをちらっと見せてもらったことがある。
その時黒く透明な光る形に感動した事がある。
会期中にもう一度高臣さんとともに見る事ができたらと、
今からわくわくしている。

結晶とは何か。
生きる事も最終的には生き方の結晶である。
人はきっと皆、死に至るまでに人生を何らかの形で結晶させる。
それが例え記憶というものであったとしてもだ。
ねえ、父よ、母よ、Mよ・・・。

*高臣大介ガラス展「雪調(ゆきしらべ)」-2月6日(日)まで。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2011-02-03 12:07 | Comments(2)
Commented by コトリ at 2011-02-03 22:31 x
黒曜石、見たいです.
Commented by テンポラリー at 2011-02-04 11:44 x
コトリさん>会期中に見れると思います。見に来て下さいな。


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