人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2011年 01月 30日

睦月から如月へー螺旋する時間(7)

川俣正「テトラハウス326」展も今日で終る。
折りしも川俣正の来札・来廊とも重なり記念すべき展示となった。
同時に今日で終る札幌芸術の森美術館の「さっぽろ・昭和30年代」展
ー美術評論家なかがわ・つかさが見た熱き時代ーも長く記憶されるべき
Y学芸員渾身の企画展である。
有島武夫ー木田金次郎ーなかがわ・つかさに繋がる近代モダニズムの
系譜。そこから1960年代ー2000年代へと繋がる時代の架け橋を深く
考えさせられたからだ。
偶然とはいえこの展覧会の会期中に佐佐木方斎展、川俣正展と重なった
のは正に私にとっては、’80年代’90年代へと繋がる美術上の軌跡でも
あったのだ。
さらに年末・年始にかけて尾道の野上裕之さんの初の里帰りとも
いうべき個展があり、そこに詩人の吉増剛造さんが来廊して今年末に
銅板の全作品里帰り展の話があり、川俣さんにも繋がるテンポラリー
スペースの大きな意味での軌跡・<里>帰りが意識された時でもあった。
風景の根としての里は日々喪失の時代だが、このような形で自らの生きて
きた軌跡の内に(里)を見る事は、幸福とも思え同時に身震いをするような
責務と視座そのものを問われる覚悟も験される思いがする。
今という場(里)を問われるのである。

睦月から如月へと時は動き、冬の底へと季節は向かう。
来週から始る千葉の人、今は洞爺のガラス作家高臣大介さんの「雪調
(ゆきしらべ)」展もまた、別の意味でひとりの北を生きる男の生き様が
明白な形を顕す個展となるだろう。
茨城から北へと移住したなかがわ・つかさのロマンの、ある意味凝縮した
透明な意志を、同じように北へと移住してきた高臣大介の冬のガラス表現
に見るのである。
昨年の「冬光(ふゆひかり)」展以降、作家の冬への志向はさらに明白に
なって、今回のタイトルにも顕われている。
吹きガラスによる透明な彼の作品は、北のモダニズムを風の結晶のように
その今を問うものかも知れない。

*高臣大介ガラス展「雪調(ゆきしらべ)」-2月1日(火)ー6日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-01-30 15:24 | Comments(0)


<< 氷柱の林立する世界ー螺旋する時...      風景の根・記憶の根ー螺旋する時... >>