なんとか「川俣正テトラハウス・326」展の展示を終える。
マスキングテープとかファイルとか種々道具を買いに行く。
当時S氏撮影のネガ現像拡大コピーを巻き物のように広げ、
壁に貼り付ける。
モノクロームの写真ネガが、白い壁と雪光に映えて綺麗だ。
漂泊の大工のような痩せて髭面の川俣正が精悍である。
当時の円山北町は、空が広い。
髪の毛が黒々とした佐藤真史さん、
黒かりんとうのような痩せてキョロ眼の唐牛幸史さん等々・・。
1983年の夏の人と風景である。
この小さな街角の三角地に立つ木造一軒家を木材で梱包したテトラハウス
・326プロジェクト。関わった多くの人の人生がこの後変わったのだ。
街角も発熱し、この三角形の家はこの後竹林精舎という名のフリースペース
に変貌する。
一帯は燃える街角となり様々なイヴェントが湧き上がる。
そして二十数年。
街角は高層マンシヨン群の傘下に沈み、今は空も狭く直線の市街地に
収斂されつつある。
街角に磁場が生まれ、その磁場が消え、物流の量数が支配する市街地と
なって時が過ぎる。
しかしこの時点灯した心の燃える街角は、今も場を変えて消えてはいない。
「緑の運河・札幌エルムゾーンを守る会」の活動は、私にとって同じ磁場の
燃焼である。
札幌の東西を貫流する産業経済社会の象徴新幹線招致の動向と交差する
南北に連なる有機的緑の運河エルムゾーン。
燃える街角は、より本質的な磁場の創出を深めて南北の時空を闘いとろう
として今あるのである。
植物園ー伊藤邸ー清華亭ー北大構内と続くエルムの森と泉の南北に
連なる磁場は、現代のインフラの象徴新幹線の東西路線と対峙して
位置付けられる。
私たちの文化の軸心は、物流の直線構造と対極するように闘われ
なければならないと思える。
南から北へと流れる有機的な自然構造を、東西に直線化する新幹線構造
と対峙させ一方の極を形成保持しなければならない。
そう思うのだ。
今回川俣正に提案したい札幌とは、そうした視点からのプロジェクトである。
*川俣正アーカイブス「テトラハウス・326」展ー1月21日(金)-30日(土)
am11時-pm7時:月曜定休。
*高臣大介ガラス展「雪調(ゆきしらべ)」-2月1日(火)-6日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax-11-737-5503