今朝も空は灰色、雪が降る。
さらさらの雪で歩き易い。
スキップして歩く。
両手を左右に広げ羽のようにして、雪の下の滑る部分に用心する。
傍から見たらバカみたいと思うかも知れないが、当人はいたって楽しんで
軽快な身のこなしの積りである。
そんなララッと跳ぶように歩いてギヤラリーに着いた。
隣の家から雪掻き機械が出て、ゴーゴーと唸りを上げている。
防寒服に身を固めてあちこちで雪が撥ねられている。
冬本番。
白く澄んだ光が廊内に満ちて、目のないi・NUが精悍に空を見上げ
魂を飛ばしている。
労働の汗と油に滲んだ茶褐色の革手袋。
両手の親指と人差し指をすり合わせて、羽根の根を作っている。
窓の氷柱、雪景色に浮かぶ手の鳥だ。
マイルス・デーヴィスの「ピッチェーズブリュー」を流す。
これが狼の遠吠えのように響き、作品にフイットする。
野上さんもお気に入りの曲である。
2年前鉛の溶解を試みた個展時は、グルミオのバッハ無伴奏ヴァイオリン
がお気に入りだったが、今回の個展には合わない。
昨日は志乃さんと翼さんが見え、じっくりと鑑賞してくれた。
ずっと今までの作品を見てくれている人たちの素直な反応が嬉しい。
お互いがいい刺激を受け、新たな展開が生まれる。
羽根の根を縫う。
それぞれの里造り。
森本めぐみさんの恵庭・支笏火山。
秋元さなえさんの江別・早苗別川。
今月から始るふたりの卒生展の展開も楽しみである。
昨年「空・地・指」展から始った新たなそれぞれの根を縫う展開。
それぞれの第一線の先陣が、深まっている。
この第一線の感覚は、若老でも有名無名でもない。
先陣をきって闘っているかどうかが価値基準である。
少なくとも私はそう思い、友情を感じている。
*野上裕之展「鳥を放つ」-1月16日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503