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テンポラリー通信

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2011年 01月 07日

根を縫うー同時代の森(10)

今年一番の寒波到来。
水道が凍っている。
石油ストーブを点火し暫らく、やっと水が出る。
朝の道、ひさしぶりに靴音がキュッ、キュッと鳴るのを聞く。
ギヤラリー前を雪掻きして指先の感覚が鈍い。
冷えている。
昨日は吹雪気味にもかかわらず、大勢の人が来て賑わう。
大塚軟膏くんが、岩見沢教育大の瀬戸茶髪くんと待ち合わせ。
初対面のふたりは、ともに昨年入学時にジャズ研に入部して今回
大塚くんの帰省時に此処で初めて会うのだ。
ギターにサックスそれにドラムの有山さんとトリオを組んで
テンポラリーバンドをつくる予定である。
吹雪で遅れた瀬戸くんが着き、初対面のふたりはもう以前からの
旧友のように、曲の打ち合わせをしている。
先ずはムラギシの曲「撓む指は羽根」が候補に上がる。
あとは有山さんも含めて大筋の曲の構成が決まる。
文月悠光さんの詩の朗読も加えて、とりあえず文月トリオが予定される。
今回はこの3人の顔合わせで、本格的には今年の夏休みに演奏という事
になる。
その間宇田川洋さん、千鶴さん、かりん舎のふたり、北村響子さん、
佐佐木方斎さん、長谷川裕泰さん等が来る。
昭和30年代の札幌の映像をみんなで見て、盛り上がる。
瀬戸くん、大塚くんはまだ生まれていない訳だが、他の人と一緒に
タイムスリップして楽しんでいる。
見慣れた札幌駅前から南へ時間の皮が剥れていく。

今日の朝、ふと野上さんの革手袋を縫う姿を思い出していた。
ふたつの革手袋を親指と人差し指の付け根で縫い合わせ、
翼を広げた鳥のようにひとつにする姿だ。
羽の根を縫う。付け根を縫う。
そこに今回の個展を象徴する姿があった。
この根とは、それぞれの里を縫う事ではないか。
羽根の根、根を縫う。
それぞれの里帰り。
付け根の正月。

*野上裕之展「鳥を放つ」-1月16日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-01-07 12:47 | Comments(0)


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