今年一番の寒波到来。
水道が凍っている。
石油ストーブを点火し暫らく、やっと水が出る。
朝の道、ひさしぶりに靴音がキュッ、キュッと鳴るのを聞く。
ギヤラリー前を雪掻きして指先の感覚が鈍い。
冷えている。
昨日は吹雪気味にもかかわらず、大勢の人が来て賑わう。
大塚軟膏くんが、岩見沢教育大の瀬戸茶髪くんと待ち合わせ。
初対面のふたりは、ともに昨年入学時にジャズ研に入部して今回
大塚くんの帰省時に此処で初めて会うのだ。
ギターにサックスそれにドラムの有山さんとトリオを組んで
テンポラリーバンドをつくる予定である。
吹雪で遅れた瀬戸くんが着き、初対面のふたりはもう以前からの
旧友のように、曲の打ち合わせをしている。
先ずはムラギシの曲「撓む指は羽根」が候補に上がる。
あとは有山さんも含めて大筋の曲の構成が決まる。
文月悠光さんの詩の朗読も加えて、とりあえず文月トリオが予定される。
今回はこの3人の顔合わせで、本格的には今年の夏休みに演奏という事
になる。
その間宇田川洋さん、千鶴さん、かりん舎のふたり、北村響子さん、
佐佐木方斎さん、長谷川裕泰さん等が来る。
昭和30年代の札幌の映像をみんなで見て、盛り上がる。
瀬戸くん、大塚くんはまだ生まれていない訳だが、他の人と一緒に
タイムスリップして楽しんでいる。
見慣れた札幌駅前から南へ時間の皮が剥れていく。
今日の朝、ふと野上さんの革手袋を縫う姿を思い出していた。
ふたつの革手袋を親指と人差し指の付け根で縫い合わせ、
翼を広げた鳥のようにひとつにする姿だ。
羽の根を縫う。付け根を縫う。
そこに今回の個展を象徴する姿があった。
この根とは、それぞれの里を縫う事ではないか。
羽根の根、根を縫う。
それぞれの里帰り。
付け根の正月。
*野上裕之展「鳥を放つ」-1月16日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503